【顔彩で描く絵手紙シリーズ】月夜に咲く白モクレンの描き方:白モクレンと辛夷の見分け方ってわかる?

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

今回は、「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
「月夜に咲く白モクレンの描き方」をお届けします。

以前、白モクレンの描き方については、
初級講座で解説していますね。

こちらでは、スケッチブックに鉛筆で下絵を描き、
画仙紙のハガキにチャコペーパーで転写するというやり方で、
墨彩画初心者でも、簡単に描ける方法をご紹介しました。。

月夜の白モクレンでも、いきなり墨で下絵を描く自信のない方は、
スケッチブックに鉛筆で下絵を描き、
それを画仙紙のハガキに転写して描いてくださいね。

今回は、「月夜の白モクレン」を描きます。

中国の思想である「陰陽」で言うならば、
「太陽」は、明るく奔放で元気な「陽」、
「月」は、静かで落ち着いていて、どこか寂しい「陰」。

お月さまは、日本人の心情に
とてもよく合っているように思います。

昔から、日本の絵師たちは、よく絵の中に
月を描きいれてきますし、
百人一首などの短歌にも、
月を題材にしたものは多いですね。

さて、今回の描き方ポイントは3つです。

  • 月の描き方
  • 月の配置
  • 白いモクレンの描き方

この講座では、まず、描き方ポイントを解説し、
次に動画をご紹介します。

この動画は、描く全ての行程を撮影していますので、
ご覧になれば、ほぼご理解いただけます。

続いて、白モクレンについて解説いたします。

白モクレンと辛夷の違いなども
説明しますので、最後までご覧くださいね。

目次

描き方ポイントの解説

ポイント1、月の描き方

最初は、金黄土で、お月さまの周囲をぼかし、
白く抜くことで、お月さまを表現しようと思いましたが、
まっしろの月では、白モクレンの白と喧嘩して、
趣がなくなる気がしました。

そこで、薄く鮮光黄+胡粉で色付けしたのです。

この色加減は慎重に決めます。
色が薄すぎても、濃すぎても、
絵全体の中で浮き立って目立ってしまいます。

あくまで、月は脇役。自己主張は禁物です。
主役は、白モクレンのお花なのです。

月の周囲に、水を塗ったのは、
月の境界をぼんやりさせるためです。

ポイント2、月の配置

この絵の中で、月をどこに配置するか、という
構図は重要です。

単純に、月は空にあるのだから、
お花の上に配置するのでは全く趣がありません。

また、白モクレンの真後ろにお月さまがあっても、
全く芸がありません。

金黄土で表現した月明かりの中で
白モクレンのお花をぼんやり浮き立たせることで、
風情のある作品となるのです。

そこで、枝の先にあるつぼみの後ろに
お月さまを配置し、白モクレンの
上から下に垂れ下がる枝の特徴を
目立たせることにしました。

ポイント3、白いモクレンの描き方

顔彩の胡粉では弱いので、
顔彩チューブの胡粉を何層にも重ねて
塗りぼかしして、お花を表現しました。

背景にうっすらと金黄土を配色したことで、
白モクレンの花の白さを浮き立たせることができました。

夜だからと言って、背景を
そのまま濃い金黄土や墨で黒く塗ってしまったら、
白いお花は浮き立つかもしれませんが、
絵全体に余韻のない絵になってしまいます。

金黄土をぼかしで背景にしたことで、
闇夜ではなく、月明かりを表現できたと思います。

また、薄い胡粉を何層にも、重ねることで、
花びらの厚みも表現しました。

描き方動画

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Youtubeの「桂颯」「さわやか墨彩画教室」では、

他にも、さまざまな描き方動画を

アップしていますので、お気軽にご覧いただけます。

そして、Youtube動画の詳しい解説は、

こちらのブログで行なっています。

つまり、両方をご覧になると、

しっかりご理解いただけると思いますので、

よろしくお願いいたします。

白モクレンとは

白モクレンは、モクレン科モクレン属の落葉高木の一種で、
中国原産です。

同じモクレン属の紫木蓮よりも、開花時期が早く、
花びらは白い卵型で、肉厚なのが特徴です。

3〜4月ごろに開花し、
開花中は葉っぱをつけません。

花は完全に開ききらず、斜め上向きに花をさかせます。

白モクレンと辛夷の見分け方とは

白モクレン
コブシ

以前、私は、白モクレンとコブシの違いがわかりませんでしたが、
見分け方がわかると、『あれはコブシ」「あれは白モクレン」と
自信を持って答えられます。

ぜひ、「見分け方」を覚えておきましょう。

白モクレンも、コブシも、同じモクレン科モクレン属の
落葉高木で、ぱっと見た目には、ほぼ同じに見えますね。

実際、白モクレンもコブシも、似たような樹皮で葉っぱなので、
開花するまで、どちらかわからないのです。

白モクレンの原産は、中国であるのに対し、
コブシは、日本原産です。

お花の一番の違いは、白モクレンは、花弁が完全には開かず、
上を向いて開花することです。
お花もコブシより一回り大きく咲きます。

一方、コブシの花は、完全に開き、いろんな方向に
向いて開花します。
また全体にお花も小さめです。

白モクレンの花びらは9枚(ガクを含める)で、コブシに比べて
肉厚で幅広です。

コブシは、白モクレンよりは薄く幅の狭い花びらが6枚です。

白モクレンは、開花している間は葉っぱはありませんが、
コブシは、開花と新芽が吹くのが近いので、
同時に見られます。

さあ、これで白モクレンとコブシの違いが
わかるようになりましたね。

まとめ

今回は、「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
月夜に咲く白モクレンの描き方をお届けしました。

まず、描き方のポイント3つを解説し、
描き方動画をご紹介しました。

続いて、白モクレンについての植物情報を解説し、
「白モクレンとコブシの見分け方」について
お話ししました。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。