【桂颯の龍作品集】白龍への挑戦

墨彩画 白龍

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

今回は、私がこれまで描いてきた龍作品を
お届けしようと思います。

決して、自信があるからご紹介するわけではなく、
描くたびに、問題点が出てきて、その度に四苦八苦しているので、
その軌跡を振り返りながら、一緒に見ていこうという趣向です。

私が、初めて「龍を描きたいんです!」と先生に言った時、
「女性のあんたがねえ。へえー。珍しいねえ」と言われました。

しかも、「白龍を描きたいんです!」というと、
先生は、「白い龍を描く人はあまりいないよ。難しいから」
苦笑されました。

「私は、美しい白い龍が描きたいんです!」

どうしても描きたかった私は、無理矢理頼んで
とにかく龍の描き方のご指導を受けました。

お寺の天井や襖絵などに、たくさんの龍を描いてこられた先生に、
龍の模写を習い、数回手ほどきを受けました。

でも、あとは独学で描き続けています。

私の中にいる「白龍」は、私にしか見えないからです。

目次

龍との出会い

箱根にある飛龍の滝を見に行った日の夜、
真っ白い龍が、天に登っていく夢を見ました。

それから、すっかり白龍に取り憑かれてしまったのです。

とりあえず、画用紙にスケッチしたものですが、
イメージとしては、こんな感じの夢でした。

真っ白で美しい龍が描きたい!!

模写から始める

基本的な龍の描き方を先生から習い、有名な龍作品の
模写から始めました。

雲龍図模写1

初めて描いた模写作品です。

加山又造「雲龍図」模写

日本画家加山又造画伯が天龍寺の天井に描いた「雲龍図」の模写です。

模写しながら、加山氏の気迫に圧倒されました。
絵に込められた気のエネルギーは、時代を超えて
伝わるのだと確信しました。

初めての自分の作品

自分の中から生み出した初めての白龍作品です。

練習と思って、手元にある安い画仙紙にさっと描きました。

辿々しい筆遣いで、構図もなにもなっていないのですが、
龍の顔は、自分のイメージに近い作品になったような気がして
気に入っています。

作品2号

これは、水彩紙に描いたF10作品です。

それまで、水墨画で龍を描いていたので、
滲みの多い画仙紙を使っていました。

私の遅い筆遣いでは、細かい部分がうまく描けません。

そこで、にじみの全くない水彩画紙に描いてみました。

でも、水彩画紙の場合、白い色は、
塗り残しで表現します。

画仙紙とは、かなり勝手が違いましたが、
とりあえず、ゆっくり描くことができました。

とにかく迫力を出したくて、目を赤にしたり、
火炎を赤金の顔彩チューブで描いてみましたが、
どうも、とぼけた表情の龍です。

迫力というのは、小手先の技法で表現できるものではない
と思いました。

気持ちばかりがはやって、火炎を多く入れすぎました。

火炎の描き方を先生に習いました。

作品3号

これも水彩紙に描いた小さな作品です。

周りを暗くすれば、白い龍が浮き出てみえるかもしれないと思い、
こんな構図を考えてみましたが、
そんな単純な問題でもなさそうです。

白龍は、確かに難しそうです。

月を見ている白龍ですが、可愛くなりすぎました。

作品4号、5号、6号

再び、F10の画仙紙に描いた水墨作品。
ゴチャゴチャしていて、まとまりのない構図です。

最初に描いた模写作品と同じ構図で描いてみました。

龍が笑っているみたいです。

描けば描くほど、
自分の龍を描く難しさを実感。


厳しくて、強くて、こちらの内面を見据えるような
力強い目を描きたくて、赤目にしたり、金を入れたり
いろいろ工夫しましたが、気持ち悪くなるばかり。

いったい、目は、どう表現すればいいのだろう?

過去の有名な龍作品をたくさん見て
勉強をする。
やはり、円山応挙も雪舟も、狩野永徳も狩野探幽も、
横山大観も凄いと思う。

でも、ネットや画集で見る絵は、実物より小さすぎて、
細かいところはよくわからない。

実物が見たい!!

白龍7号

F20の画仙紙に描きました。

ようやく、自分らしい作品に近づいてきました。

先生が、爪や目に修正を加えてくださいました。


でも、どうしても、私の龍は、ほほえんでしまうのです。

作品8号、9号

水墨画 白龍8

私の悩みの種は、どうしても龍の表情に
迫力がたらないことです。

無理矢理、迫力を出そうとしているのが、みえみえ。

龍の目にこだわりすぎて、自分の描きたい美しい龍から
どんどん遠ざかっていく気がする。

甘ったるい私には、迫力ある龍は描けないのかもしれない。

墨彩画の白龍作品1号

初めて、墨彩画で「白龍」を描きました。

私の白龍は、水墨画よりも、墨彩画の方が
うまく表現できるのかもしれません。

現在、この作品は、気に入ってくださった方のお宅に飾られています。

でも、問題点が残りました。

やはり、龍の表情がやさしすぎること。

そして、波の表現がデザインっぽくなりすぎたこと。

墨彩画の白龍作品2号

今回は、墨彩画で雲龍図にしてみました。

白龍の白をいかすために、雲を黄土で表現しました。

雲は、円山応挙を目標にして、水でぼかしながら
渦巻きを表現しました。

まだまだ納得できませんが、少しづつイメージに
近づいてきています。

次の課題ポイント

ポイント1、龍を墨の線で囲わずに、
白い面だけで表現すること

ポイント2、龍の白は、薄い胡粉を何層にも重ねて、
細やかに表現すること

ポイント3、目に力を持たせること

ポイント4、雲の渦にもっと勢いをつけること

次回作、乞うご期待!