【顔彩で描く模写シリーズ】若冲の雄鶏図を模写して部屋に飾ろう①「骨描きまで」

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

さて、今回は、

あの「動植綵絵」で有名な伊藤若冲の

「向日葵雄鶏図」(ひまわりゆうけいず)の

雄鶏を模写していこうと思います。

 

若冲は、私の大好きな画家の一人です。

 

「さわやか墨彩画教室」でも、

3回にわたって、若冲作品をご紹介していますね。

【墨彩画の参考資料】伊藤若冲って、どんな画家?代表作品を解説します。

【墨彩画の参考資料】伊藤若冲って、どんな画家?代表作品を解説します②

【墨彩画の参考資料】伊調若冲って、どんな画家?代表作品を解説します➂

 

2016年4月に、生誕300年記念 若冲展が、

東京上野にある東京都美術館で開催されましたが、

行ってみたら、なんと、5時間待ち!!

見るのを断念したという苦い思い出があります。

 

でも、自分で模写すれば、

部屋に飾って毎日見ることができますものね。

 

「そうだ! 模写しよう!」ということで、

若冲が得意とする鶏を模写することにしました。

 

模写する作品は、

まだご紹介していない「向日葵雄鶏図」の中から

鶏だけを抽出して描きました。

 

「この鶏は、朝日が昇るさまを眺めている」という

副題があります。

誇り高い雄鶏のかっこいい姿です!

 

今から数十年前、日野に住んでいたころ、

通勤でかよっていた道の途中に、

鶏を放し飼いで飼っている家があって、

その前を通るたびに、襲われるのです。

 

雄鶏は、テリトリーを侵されると、

威嚇してくるんですね。

 

その時は、「勘弁してよ」と思いましたが、

今思えば、あの鶏はカッコ良かったなと

懐かしいです。

 

自分よりも、何倍も大きい私に、

猛然ととびかかってくるのですから、勇敢ですよね。

 

本当は、若冲みたいにお庭で鶏を飼ってみたいのですが、

朝の「コケコッコー」はご近所迷惑ですから、

その夢はかないません。

 

では、早速、下絵作成の手順から解説いたしましょう!

目次

絵の写真撮影

 

上でご紹介した写真は、パブリックドメインから入手したものです。

パブリックドメインは、著作権フリーの絵画やイラストを

無料でダウンロードできる便利なサイトです。

パブリックドメイン

 しかし、画像の鮮明度が良くなかったので、

最近、ブックオフで入手した若冲画集を撮影し、

A4の紙に印刷して、見本として使いました。

下絵作成

簡単な模写なら、見本を見ながらスケッチしますが、

若冲の雄鶏図は、かなり複雑です。

 

とても見ながら描けるレベルではないので、

トレーシングペーパーを利用しました。

 

A4サイズの写真を120%拡大して印刷し、

その上にトレーシングペーパーを置き、

鉛筆でなぞりました。

 

茶色の羽の部分は、色分けができないので、

トレーシングペーパーでも、

うまく映し出すことができませんが、

わかるところまで、写します。

白麻紙に転写

白麻紙ドーサ引の紙、F6サイズで描きました。

 

F6は、410×318mmなので、

それより四方2cmづつ広く、白麻紙をカットして、

パネルに貼りつけます。

白麻紙の上にチャコペーパーを置き、

その上に、トレーシングペーパーを置き、

写真をなぞった線の上を、さらに鉛筆でなぞり、

白麻紙に転写します。

細かい部分は写真を見ながら

 

転写した白麻紙に、写しきれなかった細かい部分は、

写真を見ながら鉛筆で薄く描き加えていきます。

墨で骨描き

白麻紙に転写した線上を

面相筆を使って、墨で骨描きします。

 

描写が細かいので、面相筆の先は、

必ずとがらせて描きます。

黒い羽は、墨で下塗り

鶏の羽は、とても細かく描かれているので、

途中で、どこを描いているのか、

わからなくなってきてしまいます。

そこで、わかりやすくするために、

黒い羽の部分は、この段階で墨で塗っておきます。

まとめ

今回は、骨描きまでです。

流石、若冲さん!

骨描きだけでも、いい感じに仕上がりました。

 

自分で作品を仕上げていくときは、

「どんな構図にしようか」

「どんな色に塗ろうか」

作品が仕上がるまで、かなり悩むことが多いのですが、

 

模写は、ひたすら真似をして描けばよいので

とても楽しい作業になります。

 

しかも、作者のこだわりや心遣いが見えてくるので、

とても勉強になるのです。

 

鳥の絵を描くのに、

こんな良い先生は、いませんよね。

 

模写は、過去の優れた絵師に

ただで個人レッスンしてもらっているようなものですから。

 

さて、次回から、いよいよ色を塗っていきます。

 

若冲が使った色を正確に理解するために、

私は、アプリを使いました。

 

どんな風に使ったのかは、次回のお楽しみです。

次回、またお会いしましょう!