【顔彩で描く花の絵シリーズ】つわぶきの描き方② ポイントは葉っぱの着彩

 

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

さて、今回は、前回の続き、

「つわぶきとアサギマダラ」の描き方②として、

背景塗りの後の着彩から仕上げまでをお届けします。

【顔彩で描く花の絵シリーズ】つわぶきの描き方① (スケッチから背景まで) なんと、構図づくりにアプリを使用?!

実は、

今回の作品の主人公は、

つわぶきの「お花」ではありません。

 

つわぶきの「葉っぱ」の方なんですね。

何故かというと・・・・。

目次

つわぶきの戦略

つわぶきの花言葉「困難に負けない」にもあるように、

つわぶきは、日陰でも、強く生きていけるように、

この丸くて大きくて、青々とした葉っぱに

進化させていきました。

 

 

前回、お伝えしたように、

葉っぱの面積は広い方が

光合成をよりたくさん行うことができます。

こうして、つわぶきは、

光合成をたくさん行えるように、葉っぱを大きく丸くして、

日陰でも、元気に生きていける戦略を取ったんですね。

 

しかし、葉っぱの面積が広いと、寒く乾燥した季節では、

葉っぱから水分が蒸発してしまいます。

 

そこで、葉っぱの表面をワックスを塗ったみたいに、

つやつやさせて、

葉からの水分の蒸発を防いだんです。

 

 

またつわぶきは、株元から、たくさん茎を出すことで、

たくさんのお花を咲かせています。

 

つまり、つわぶきは、

日陰でも、目立つ黄色いお花をたくさん咲かせることで、

蝶々を呼び寄せ、受精を促しているんですね。

 

私が、三段壁で見たつわぶきも、日陰で咲いていました。

 

動かないけれでも、たくましく生きていくために、

数々の素晴らしい戦略を取って、花を咲かせ、

蝶々の訪れを待っているつわぶき。

 

そこに、遠く海を渡ってきた

「アサギマダラ」が止まっていたのです。

アサギマダラは、1000kmを旅する蝶々です。

なんと、壮大な景色でしょう!

 

さあ、そんな素晴らしい「つわぶきの葉っぱ」です。

どんな色に仕上げるか、

わくわくしてきませんか?

使った顔彩

今回は、吉祥の顔彩24色の中から、

背景に、黄土、栗皮茶、

葉っぱと茎の着彩に、青草、青瓷、鶯茶緑、花白緑、黄土

お花には、鮮光黄、朱、胡粉、栗皮茶

アサギマダラには、黒、辰砂、胡粉、

それに、チューブ顔彩の浅葱(あさぎ)もほんの少し使いました。

葉っぱと茎の下塗り

上の葉っぱの下塗りは、青草を使い、

下の葉っぱとつぼみの下塗りは、青瓷(せいじ)を、

茎の下塗りには、花白緑、鶯茶緑、胡粉を使いました。

お花の下塗り

花芯は、鮮光黄、朱、辰砂、

花びらは、鮮光黄、朱で下塗りをしました。

 

 

アサギマダラの下塗り

アサギマダラの下塗りは、

白い模様の部分は、胡粉に

ほんの少しの浅葱(あさぎ)を混ぜて、

塗りました。

アサギマダラのアサギは、白い模様の中に浅葱色があることから

ネーミングされているからです。

下羽は、辰砂、

上羽と頭、胴体は、黒で下塗りをしました。

二度目の着彩

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栗皮茶、黒、鮮光黄を混色した色で、

花芯に、点々を打ちます。

葉っぱは、青草、本藍を混色して、二度塗りをします。

花びらには、花芯と同じ色で筋を入れます。

アサギマダラの黒色を鮮明にするために、

墨をすり、濃いめの色で、黒い部分をしっかり塗っていきます。

葉っぱには、青瓷、本藍、墨を混色して、

濃いめの色で、3度塗りをします。

だいぶ、主人公らしくなってきました。

仕上げ

アサギマダラの仕上げは、同じ色をしっかり着彩して、

一つ一つの色をくっきりさせていきます。

葉っぱは、花白緑と浅葱を混色して、

葉脈を入れていきます。

この葉脈がポイントのなります。

作品のポイント

今回の作品を描くポイントは、

主人公である、

葉っぱの色と葉脈にこだわって、仕上げたことです。

最初に目がいくでしょう?

 

また、第二の主人公のアサギマダラを目立たせるために、

つわぶきのお花は、目立たなくさせました。

描き方動画

上記の解説とこの動画を合わせると、

かなりわかりやすくなったのではないでしょうか?

 

視聴時間を短くするために、

4倍速で動画編集しています。

 

まとめ

今回は、「顔彩で描く花の絵シリーズ」

つわぶきとアサギマダラの描き方②

着彩から仕上げまでの描き方について解説いたしました。

 

植物に隠された素晴らしい戦略や

アサギマダラの凄い生態を知ると、

描く方も、心が引き締まってきませんか?

 

墨彩画を描くときに、このように自然と向き合っていくと、

私たちの心も育てられるように思います。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

また次回お会いしましょう。