こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
これまで、墨彩画の描き方、ハガキ絵の初級講座では、
チューリップ、椿、白もくれん、紫木蓮と
4種類のお花を描いてきました。
さあ、いよいろ第5弾、花菖蒲を描きますよ。
花菖蒲のお花って、形がエレガントで、素敵ですよね。
でも、お花の形は、これまでより複雑になっていますから、
しっかり写生して、お花の構造を理解してから
描いていきましょう!
ということで、今回は、
【墨彩画の描き方 初級講座 花菖蒲のハガキ絵】花菖蒲を鉤勒法で描く
というテーマで、お届けいたします。
鉤勒法(こうろくほう)については、
以下のサイトを参考にしてください。
では、以下の順番でご覧ください。
目次
モデルの花菖蒲
今回のモデルは、
東村山市にある北山公園の菖蒲園で撮影した花菖蒲です。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_5896-4.jpg)
本当にエレガントで美しいですね。
スケッチ
写生をする前に、花菖蒲独特のお花の構造を
じっくり観察しましょう。
実物を観察して、写生するのが、一番ですが、
写真を使う場合は、さまざまな角度から撮影した写真を参考にします。
これは、上から見た写真ですね。
花菖蒲は、側面から見た姿が最も美しいので、
側面を描くことが多いのですが、
構造を理解しておかないと、
下絵の線があやふやになってしまいますので、
お花をしっかり理解した上で描きましょう。
花の種類が異なっても、花菖蒲の構造は変わらないので、
北山公園で撮影した、いろんな花菖蒲の写真を見て、
参考にしてください。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/9D00FD71-AAA2-4D17-8246-B276F9A5C087-300x288.jpeg)
今回は、描きやすいように、少しモデルの写真をアレンジして、
こんな下絵を作成しました。
画仙紙のハガキに転写
鉤勒法(こうろくほう)で描く場合は、
にじみの少ない画仙紙のハガキを使います。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/3E476135-A01A-43FE-A9D2-03BED047ED41-300x176.jpeg)
ハガキの上に、チャコペーパーを置きます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/203AF94E-00A2-41B7-94C9-33DB0E09D078-300x300.jpeg)
抜けが出ないように、赤いボールペンで、
鉛筆の線をなぞり、はがきに転写します。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/50D2BFBB-7359-49F7-9D43-8CCF70326C33-300x212.jpeg)
しまった⁉
下絵がハガキの右側に寄りすぎました!
下絵を左に寄せて、もう一枚、転写。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/4E2E6F81-DE0C-4C8E-9CC0-58BF00CB3723-300x226.jpeg)
これで良し。右側のハガキを採用しましょう。
面相筆で線描き
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/8862EDCA-A8F6-4B7C-8ABB-C968671E0AEF-251x300.jpeg)
転写した線上を、面相筆を用いて墨で線描きします。
彩色①
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/27E16125-8C75-4785-8845-22BCA7D01D5A-282x300.jpeg)
まず、花菖蒲の特徴である、花びらの中心部の黄色の部分を
面相筆を用いて、鮮光黄で彩色します。
次に、付立筆か彩色筆を用いて、
花びら全体を、胡粉+紫+紅梅で薄く彩色します。
(先に、紫と紅梅を混色して、薄紫に調整しておきます。)
筆全体に胡粉をたっぷりつけた後に、この薄紫を筆になじませ、
花びら全体を薄く塗ります。
ここでは、できるだけ、薄い色で塗ってください。
彩色②
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/CACCA9E6-EE2E-4B4C-B060-DB00A1A3E566-288x300.jpeg)
上向きの花びら部分を、紫+臙脂を混色したもの(赤紫)
で薄く彩色します。
下の萼や葉は、若葉+青瓷を混色したもので薄く彩色します。
彩色③
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/0705ACCE-60E5-4DF2-844F-F63FDBF272EF-257x300.jpeg)
垂れ下がった花びらの中央部に、紫+群青を混色したもの(青紫)
を塗ります。
一旦、筆をきれいな水で洗い、
水を含ませた筆で、先に塗った青紫を
中心から外に向けてぼかしながら
全体になじませていきます。
仕上げ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/E9366756-8FA3-46A7-B035-AB831BC8B8B8-268x300.jpeg)
上向きの手前の花びらの外側と中央部を
濃い赤紫で彩色します。
葉の外側を青瓷で彩色します。
下向きの花びらに、面相筆を用いて、
紫で筋を入れていきます。
この時、筋が太くなりすぎないように、
慎重に線を入れていきます。
注意 筋を入れる場合は、
必ず、花びらの色が乾いてから塗ってくださいね。
ドライヤーで乾かすのもありです!
後は、お好みで微調整してください。
雅印
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/D6AB676F-8B46-4A36-A4BB-E2F85C0DC178-288x300.jpeg)
雅印を押します。
額縁などに入れて飾る
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/4F33B178-CD85-493E-83B9-D88D6760DE3B-259x300.jpeg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/1CE0E768-7F58-461B-BCC9-391A62C9BBD8-300x225.jpeg)
いい感じに仕上がりましたね。
まとめ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_5822-2-scaled.jpg)
上の画像の中央に、小さな蜂が飛んでいるのが見えるでしょうか? 超かわいい!
さて、今回は、
【墨彩画の描き方 初級講座 花菖蒲のハガキ絵】
花菖蒲を鉤勒法で描く
というテーマで、スケッチの方法や彩色についてなど、
丁寧に解説してまいりました。
いかがでしたか?
このやり方がわかったら、
北山公園の菖蒲園の写真を参考にしながら、
他の花菖蒲についても、ご自分で描いてみてくださいね。
そして、ぜひ、本物の花菖蒲に会いに行ってください。
お花を描くと、お花を見る目が変わり、
お花に対する心情も変わり、心豊かになってきますから。
これからも、一緒に、墨彩画を楽しんでいきましょう。
さて、今回はここまでです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
次回、またお会いしましょう。