【墨彩画の描き方 中級講座】ハガキ絵 「小さな実の描き方」を動画を交えて 詳しく解説します。

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの

桂颯(けいそう)です。

今回は、「墨彩画の描き方 」中級講座
ハガキ絵「小さな実の描き方」

お届けいたします。

 

秋は、収穫のとき。
葡萄や梨や柿など、

大好物の果物が出回るようになるので、

わくわくしますね。

 

また、食べられないけど、

カラスウリやヤマブドウなど、

色とりどりの実をつける植物も

出てくるので、うれしくなります。
素敵な絵の題材になるからです。

そんなわけで、

今回は、ヨウシュヤマゴボウを題材に、
小さな実の描き方について、
動画を交えて解説したいと思います。

実は、ヨウシュヤマゴボウは、
非常に厄介な雑草の一種なのです。

しかも、

真っ赤な茎に

葡萄のような房状の小さな実という
可愛い姿とは裏腹に、
なんと有毒植物だったのです。

でも、

やっぱり描いてみたい!!

だって、黒い実がきらきら光って
きれいなんですもん。

有毒だけど、食べなければ問題ありません!!

だって、あの可愛いスズランやスイセン、

クリスマスローズだって、

有毒植物なんですから。

 

ということで、

まずは、描き方動画をご覧ください。

ヨウシュヤマゴボウについて、
準備する画材、描き方のコツなどについては、
動画後に、詳しく解説していきますね。

この動画は、視聴時間を短くするために、
ところどころ2倍速4倍速になっています。

もし、この動画をご覧になって、
わからないことがあったり、
全くの墨彩画初心者の方でしたら、
以下の順番で、受講されることをお勧めします。

ステップ①

「墨彩画ってどういう絵?」

墨彩画ってどういう絵? 初心者にもわかりやすく解説します。

ステップ②
「墨彩画はじめの一歩」
墨彩画で使う画材の紹介と
基本的な道具の扱い方をご紹介しています。

墨彩画はじめの一歩 ①画材をそろえよう!

ステップ③

「墨彩画描き方 初級講座」

初級講座では、
チューリップ、椿、木蓮、花菖蒲、百合を
モチーフにして、
基本的な墨彩画の描き方を学びます。

いろいろな種類のお花を描きながら
墨や筆、絵具に慣れて頂くことが目的ですが、
専門的な没骨法(もっこつほう)と
鉤勒法(こうろくほう)による
2種類の描き方についても、解説しています。

椿を鉤勒法と没骨法の二つの描法で描いてみました

中級講座と初級講座の大きな違いは、

描き方がより繊細に、

より表現が豊かになってくることです。

目次

ヨウシュヤマゴボウ

ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属

別名)セイヨウヤマゴボウ、アメリカヤマゴボウ

明治時代に、西洋タンポポとともに、
日本に帰化しました。

名前の由来は、

地中深く伸びている根っこが

ゴボウに似ていることです。

けど、ゴボウと違って、有毒です。
根だけでなくて、実も、葉も、

全草にわたって強い毒性を帯びているので、

要注意ですね。

どこにでも生えているので、
お子さんが間違って食べたりしないように、
注意が必要です。

また、ヤマゴボウという言葉が

含まれていますが、
市販されている「ヤマゴボウの漬物」とは

全く別物なんですね。

厚生労働省のHPに、

ヨウシュヤマゴボウの毒性について

詳しく解説されていますので、
以下のページをご覧ください。

厚生労働省

でも、嫌いにならないでくださいね。

食べなければ、素敵な絵のモチーフです。

 

準備する画材

筆  面相筆小1本、中1本
彩色筆または削用筆、または付立筆 1本

刷毛1本

紙   麻紙ドーサ引 (中厚~厚口)

    ドーサ引というのは、にじめ止め加工のことです。

生麻紙は、にじみやすい性質をもっていますので、
描きにくいのです。
必ず、ドーサ引された麻紙を選びます。

私は、世界堂の越前和紙白麻紙ドーサ引(厚口)
を使っています。
直接店舗で購入すれば、
60×90cm 1枚 1280円です。

ネット検索したところ、
紙市楽座や楽天で、越前 白麻紙ドーサ引
【やや厚目)3号 97×188cm

1枚 6930円(税込み)が出ていました。

少し高く感じるかもしれませんが、
ハガキサイズの紙が 120枚も取れます。

楽天

または、お近くの画材店で、
「 日本画で使用できる紙」で

相談されると良いかもしれませんね。

   膠液
墨彩画で使用する顔彩絵具は、

紙への定着が弱いので、
時々、膠液を使って、

着力をアップさせます。

私は、膠液を自分で作ったり、

吉祥の膠液を使ったりしています。

今回使った顔彩の色

骨書き :墨

背景 :下塗り 胡粉、黄土、鶯茶緑、墨

葉っぱ :黄草 

茎: 燕脂 紫 紅梅、胡粉

実:紫 燕脂 胡粉

胡粉は、中級講座から、毎回、
たくさん使うので、チューブ絵具を
準備されることをお勧めします。

描き方の大まかな手順

   下絵作成→紙への転写→墨による骨書きまでは、

初級講座と同じです。

中級講座では、胡粉の下塗りと背景塗りが
加わります。
この時、刷毛を使います。

今回、動画では、 刷毛の代わりに
連筆(れんぴつ)を使っています。
刷毛よりも、柔らかい感触で紙を傷めずに
塗ることができます。

次に、葉っぱの色をぬる→実の下塗りをします。

動画でご覧の通り、

光と影を意識しながら、

少しづつ色を重ねていきます。

描き方のコツ

No1 

ハガキ全体に胡粉の下塗りをするときと、

背景の色を塗る絵具に、

少量の膠液を加えてください。

背景の色を混色する場合は、

おおざっぱで良いです。

どんな色になっても、

乾けば薄くなりますし、

多少の濃度の濃さ、色の違いがあっても、

No Problem!

 

No2

 実の立体感を出すために、
薄い色から少しづつ、

重ね塗りをしていきます。

こちらは慎重に仕上げていってください。

光の当たる方向と影の部分を意識します。
影の部分は、絵具を濃くし、
光の部分は、絵具を薄めてぼかします。

NO3

 中級講座では、

色を塗る筆、暈すための筆(水筆)として、
2本の筆を使います。

水筆とは、水だけを含ませた筆です。

私は、両方の筆を一緒にもっていますが、
1本づつ持ち替えて、使ってもOKです。

No4

 最後に、胡粉で光を表現しますが、

具体的に実に光が当たっている姿を

想像しながら、描くと楽しいです。

胡粉を塗る前にも、
紫だけで、ある程度、実の立体感が
出るようにしておきましょう。

No5

 今回は、実の方が主役なので、
葉っぱは、墨で軽く表情をつけたのちに、
黄草を塗って、下にぼかしていけば
OKです。

まとめ

今回は、

「墨彩画の描き方 中級講座」として
ハガキ絵「小さな実の描き方」について
動画をご紹介し、

ヨウシュヤマゴボウの特徴や毒性について、
本講座で準備する画材や描き方のコツなどの
解説をいたしました。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。
最後までご覧頂きありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。