椿を鉤勒法と没骨法の二つの描法で描いてみました

ハガキ絵 椿の花

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯
(けいそう)です。

皆様、
いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は、

「椿を鉤勒法と没骨法の2つの描法で描いてみました」というテーマで、
墨彩画の代表的な2つの描き方、
鉤勒法(こうろくほう)と
没骨法(もっこつほう)について、
解説していきたいと思います。

なんだか、難しい漢字が出てきて、
ひいてしまわれた方、ごめんなさい。

でも大丈夫です。
漢字は難しいけど、実は、簡単なんです。
そんなに難しいことを言っているわけではありません。

このページを読んでくだされば、
ご理解いただけますので、
少しお付き合いくださいね。

目次

鉤勒法とは


鉤勒法(こうろくほう)とは、
描く対象物を輪郭線でくくり、

その内側を彩色していく方法のことをいいます。

さわやか墨彩画教室で、
お勧めする描法は、
ほとんどが、この鉤勒法の描き方になります。

例えば、

この椿のハガキ絵は、
鉤勒法で描いています。

この椿の描き方は、

①椿の輪郭線を面相筆を使って、墨で描いていきます。

②輪郭線の内側を絵皿にとった顔彩で彩色して仕上げます。

この方法だと
筆の技を、それほど必要としないので、

誰でも上手に描くことができます。

椿の鉤勒法の描き方については、以下の記事を参考にしてください。

墨彩画の描き方 初級講座 椿のハガキ絵①

没骨法とは

没骨法とは、
描く対象物の輪郭線を描かずに、
墨や顔彩の濃淡で表す描法です。


この椿は没骨法で描いています。

没骨法による椿の描き方
1,絵皿の中に、顔彩を数種類準備します。
2、色を調整し、筆の中で濃淡を作ります。
3、輪郭線を描くことなく、花びらや葉などを
一気に描いていきます。

没骨法による描き方は、
下絵がなく、一気に仕上げなくてはならないので、

筆の技が求められ、修練が必要です。

 

鉤勒法や没骨法は、どうして難しい漢字なの?

実は、鉤勒法も没骨法も、歴史は古く、

中国から伝わってきた技法なのです。

 

鉤勒法は

中国の五代十国時代(約930年から960年くらい)の後蜀に

使えた宮廷画家、黄筌によって始められました。

黄筌は、花鳥画を得意とし、この描法は、黄氏体(こうしたい)と呼ばれていたそうです。

没骨法は、
8世紀~9世紀から見られる描法ですが、

10世紀五代、宋初の花鳥画家

徐熙(じょき)、徐崇嗣(じょすうし)

によって広められました。

当時、この描法は徐氏体(じょしたい)と呼ばれていました。

 

鉤勒法も没骨法も、大昔、中国から伝来してきたと思うと、

なんだかロマンを感じますね。

都忘れを鉤勒法と没骨法で描いてみた

この絵は、鉤勒法で描いた都忘れです。

こちらは、没骨法で描いてみました。

 

あららーー、あまり違いがわかりませんでしたね。

失礼しましたーー。

まとめ

今回は、
「椿の絵を鉤勒法と没骨法の2種類の描法で描いてみました」

というテーマで、鉤勒法と没骨法について、

具体的な描き方や歴史、具体的な例を使っての解説を行いました。

2つの描法の違いについて、
ご理解いただけたでしょうか?

墨彩画には、このほかにも、

さまざまな描法があります。

このさわやか墨彩画教室では、

そうした描法についても、一つ一つ取り上げ、

解説していくつもりですので、

楽しみに待っていてくださいね。

それでは、今回は、ここまで。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。

以下の講座は、

没骨法と鉤勒法の紙の選び方について解説しています。

こちらもぜひご覧ください。

【顔彩で描く花の絵シリーズ】山茶花の描き方、最も重要な「紙の選び方」についても解説します。