こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
秋になると、
理由もなく、もの悲しくなったり、
切ない気持ちになったりしませんか?
なんとなく、やる気も失せてきて、
気温の変化についていけず、
だるく感じたりすることはありませんか?
そして、暮れゆく夕焼けや晩秋の紅葉の赤に、
吸い寄せられるように、惹きつけられる私たち。
いったい、何故なのでしょう?
実は、私たちの体には、
そうなる理由があるんですね。
今回は、自然療法セラピストの視点を交えて、
秋になると、
私たちの体に起こる変化について解説しながら、
この作品の夕焼けの赤色やすすきの白色が
私たちの心に対して、どんな効果を持つのか、
お話していきたいと思います。
最後に、
「夕焼けとすすき」の描き方動画のダイジェスト版を
ご用意していますので、
最後まで、ゆっくりご覧くださいませ。
目次
秋になると、もの悲しくなる理由とは
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/japan-g9f0f99dd1_1920.jpg)
秋になると、
だんだん日照時間が少なくなってきます。
すると、「幸せホルモン」の一つと言われている
脳内の「セロトニン」が減ってくるのです。
このセロトニンは、
日光を浴びることで、脳内に分泌されるからです。
セロトニンは、脳内物質で、
精神を安定させる重要な働きを持っています。
セロトニンが低下すると、
不安症状やうつ症状などの精神障害を
引き起こしたりもするのです。
また食欲をコントロールする作用もあり、
セロトニンが不足すると、
食欲が増加して過食気味になるともいわれています。
つまり、秋になって、日照時間が減ってくると、
セロトニンが減ってきて、
なんとなく、もの悲しくなったり、
食欲が増加したりしてくるんですね。
つまり、秋になって、こうした心の変化が起きるのは、
生理反応というわけです。
またセロトニンは、
自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを
調整する働きもあります。
交感神経は、活動しているときに働く神経で、
副交感神経は、休息しているときに働く神経です。
このバランスが乱れると、当然、体調も崩れてきます。
秋は、体調も崩しやすい時期でもあるんですね。
四季の変化からみる秋
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/sunset-g641a861b4_1920.jpg)
春夏秋冬の季節の動きは、
一日の変化に例えられます。
私たちは、朝目覚めると、
次第に体に活力が湧いてきて、
日中、活発に活動できるようになります。
しかし、夕方になると、
徐々に活動のペースは落ちてきて、
夜に向かって、休息のときを迎えます。
夜は、明日、また元気に活動するために、
エネルギーを体に蓄える時間なのです。
四季も同じですね。
春になると、自然は目覚め、
次々に開花するお花や萌え出る新緑が、
生命の活気を表しています。
夏、自然は生気にあふれ、
活気はピークに達します。
秋は、冬を迎える準備のとき。
葉っぱは、緑→黄色→赤へと刻々と鮮やかに変化し、
美しい色のうつろいを見せた後、散ってしまいます。
冬は、じっと息を潜めて休息する時期。
そして、季節のサイクルを再開するために、
エネルギーを蓄えるときでもあります。
秋は、夏の盛りを惜しみつつ、
冬を迎える準備をするという移行のときなのです。
そうした季節の移り変わりの中で、
日本人の感性が、自分の人生を重ね合わせ、
侘び寂びの趣を感じているのかもしれませんね。
夕焼けの赤に秘められた力とは?
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/sunset-g628edc87c_1920.jpg)
私たちの体は、無意識のうちに、
色から強い影響を受けています。
すでに1950年代には、
赤い色が自律神経の交感神経を、
青い色が副交感神経を刺激することが
発見されています。
前述したとおり、
交感神経は、元気に活動するための神経。
副交感神経は、休息のための神経ですね。
つまり、私たちは、赤色を見ると、
無意識のうちに、興奮するように出来ているんです。
カラーセラピーで言えば、
赤い色は、強い生命力を表す色です。
真っ赤な炎を見ると、
激しく燃えるエネルギーを連想し、
自分の体まで熱くなってくる気がしませんか?
赤い色は、私たちのモチベーションを上げ、
元気にしてくれる色なんですね。
日照時間が減り、セロトニンが低下してきている秋に、
美しい夕焼けや紅葉の赤を見せてくれる
自然の不思議を感じないではいられません。
また赤色は、
何事にも動じないぶれない自信を
与えてくれる色でもあるんですね。
そういえば、
元アメリカ大統領トランプ氏は、
いつも真っ赤なネクタイをしていましたね。
赤色は、
沈みがちな私たちの心をしっかり支え、
勇気を与えてくれる色なんです。
赤色の持つパワーをご理解していただけたところで、
いよいよ絵の解説をしていきましょう。
夕焼けの赤の色選び
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_E3602.jpg)
赤色といっても、さまざまな赤色があります。
今回は、私は、燕脂と辰砂を使いました。
燕脂よりも辰砂の方が、若干、暗めでしょうか?
夕焼けは、薄めの色で、
何度も重ね塗りをして描いていきます。
最初は、燕脂+鮮光黄で。次は、辰砂+鮮光黄。
次は、辰砂+墨を下から、次は、鮮光黄を上からという風に、
薄めの混色で、何度も重ねていきます。
乾くと、塗った時より、色が薄くなるので、
塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、
徐々に、色を好みの色まで濃くしていきます。
背景の最初の下塗りの際には、燕脂を使いましたが、
そのままの色では、秋の温かさが感じられないと思ったので、
少し鮮光黄を混色しました。
背景の夕焼けは、
暗い赤から明るい赤へとグラデーションに
していきたかったので、
下からは、辰砂+墨の混色を重ね、
上からは、鮮光黄を上塗りしていきました。
すすきの白色
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/DSC_1336-scaled.jpg)
この画像のすすきは、
都心のビルの間の小さな庭園に植えられていたものです。
秋の日差しを浴びて、
きらきらと銀色に輝くすすきは、幻想的で、
思わず、写真をパチリ。
赤い色が、強い生命力を表し、
現実をしっかり見据えながら、
地に足をつけていく力強さを示す色なら、
ススキの白色は、心を浄化する祈りの色です。
ススキには、赤の背景の中で、ひときわ目立つように、
白い胡粉を使い、赤金で輝きを表現しました。
遠近感を出すために、
遠方のすすきは、薄めの胡粉、
手前のすすきは、濃いめの胡粉で塗っています。
「夕焼けとすすき」の描き方動画
今回は、ダイジェスト版でお届けします。
まとめ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_E3602.jpg)
今回は、
夕焼けの赤に秘められた色の持つパワーについて、
自然療法セラピストならではの視点で解説し、
また動画を交えて、
描き方のコツについても、解説しました。
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。