こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
秋になると、
理由もなく、もの悲しくなったり、
切ない気持ちになったりしませんか?
なんとなく、やる気も失せてきて、
気温の変化についていけず、
だるく感じたりすることはありませんか?
そして、暮れゆく夕焼けや晩秋の紅葉の赤に、
吸い寄せられるように、惹きつけられる私たち。
いったい、何故なのでしょう?
実は、私たちの体には、
そうなる理由があるんですね。
今回は、自然療法セラピストの視点を交えて、
秋になると、
私たちの体に起こる変化について解説しながら、
この作品の夕焼けの赤色やすすきの白色が
私たちの心に対して、どんな効果を持つのか、
お話していきたいと思います。
最後に、
「夕焼けとすすき」の描き方動画のダイジェスト版を
ご用意していますので、
最後まで、ゆっくりご覧くださいませ。
目次
秋になると、もの悲しくなる理由とは
秋になると、
だんだん日照時間が少なくなってきます。
すると、「幸せホルモン」の一つと言われている
脳内の「セロトニン」が減ってくるのです。
このセロトニンは、
日光を浴びることで、脳内に分泌されるからです。
セロトニンは、脳内物質で、
精神を安定させる重要な働きを持っています。
セロトニンが低下すると、
不安症状やうつ症状などの精神障害を
引き起こしたりもするのです。
また食欲をコントロールする作用もあり、
セロトニンが不足すると、
食欲が増加して過食気味になるともいわれています。
つまり、秋になって、日照時間が減ってくると、
セロトニンが減ってきて、
なんとなく、もの悲しくなったり、
食欲が増加したりしてくるんですね。
つまり、秋になって、こうした心の変化が起きるのは、
生理反応というわけです。
またセロトニンは、
自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを
調整する働きもあります。
交感神経は、活動しているときに働く神経で、
副交感神経は、休息しているときに働く神経です。
このバランスが乱れると、当然、体調も崩れてきます。
秋は、体調も崩しやすい時期でもあるんですね。
四季の変化からみる秋
春夏秋冬の季節の動きは、
一日の変化に例えられます。
私たちは、朝目覚めると、
次第に体に活力が湧いてきて、
日中、活発に活動できるようになります。
しかし、夕方になると、
徐々に活動のペースは落ちてきて、
夜に向かって、休息のときを迎えます。
夜は、明日、また元気に活動するために、
エネルギーを体に蓄える時間なのです。
四季も同じですね。
春になると、自然は目覚め、
次々に開花するお花や萌え出る新緑が、
生命の活気を表しています。
夏、自然は生気にあふれ、
活気はピークに達します。
秋は、冬を迎える準備のとき。
葉っぱは、緑→黄色→赤へと刻々と鮮やかに変化し、
美しい色のうつろいを見せた後、散ってしまいます。
冬は、じっと息を潜めて休息する時期。
そして、季節のサイクルを再開するために、
エネルギーを蓄えるときでもあります。
秋は、夏の盛りを惜しみつつ、
冬を迎える準備をするという移行のときなのです。
そうした季節の移り変わりの中で、
日本人の感性が、自分の人生を重ね合わせ、
侘び寂びの趣を感じているのかもしれませんね。
夕焼けの赤に秘められた力とは?
私たちの体は、無意識のうちに、
色から強い影響を受けています。
すでに1950年代には、
赤い色が自律神経の交感神経を、
青い色が副交感神経を刺激することが
発見されています。
前述したとおり、
交感神経は、元気に活動するための神経。
副交感神経は、休息のための神経ですね。
つまり、私たちは、赤色を見ると、
無意識のうちに、興奮するように出来ているんです。
カラーセラピーで言えば、
赤い色は、強い生命力を表す色です。
真っ赤な炎を見ると、
激しく燃えるエネルギーを連想し、
自分の体まで熱くなってくる気がしませんか?
赤い色は、私たちのモチベーションを上げ、
元気にしてくれる色なんですね。
日照時間が減り、セロトニンが低下してきている秋に、
美しい夕焼けや紅葉の赤を見せてくれる
自然の不思議を感じないではいられません。
また赤色は、
何事にも動じないぶれない自信を
与えてくれる色でもあるんですね。
そういえば、
元アメリカ大統領トランプ氏は、
いつも真っ赤なネクタイをしていましたね。
赤色は、
沈みがちな私たちの心をしっかり支え、
勇気を与えてくれる色なんです。
赤色の持つパワーをご理解していただけたところで、
いよいよ絵の解説をしていきましょう。
夕焼けの赤の色選び
赤色といっても、さまざまな赤色があります。
今回は、私は、燕脂と辰砂を使いました。
燕脂よりも辰砂の方が、若干、暗めでしょうか?
夕焼けは、薄めの色で、
何度も重ね塗りをして描いていきます。
最初は、燕脂+鮮光黄で。次は、辰砂+鮮光黄。
次は、辰砂+墨を下から、次は、鮮光黄を上からという風に、
薄めの混色で、何度も重ねていきます。
乾くと、塗った時より、色が薄くなるので、
塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、
徐々に、色を好みの色まで濃くしていきます。
背景の最初の下塗りの際には、燕脂を使いましたが、
そのままの色では、秋の温かさが感じられないと思ったので、
少し鮮光黄を混色しました。
背景の夕焼けは、
暗い赤から明るい赤へとグラデーションに
していきたかったので、
下からは、辰砂+墨の混色を重ね、
上からは、鮮光黄を上塗りしていきました。
すすきの白色
この画像のすすきは、
都心のビルの間の小さな庭園に植えられていたものです。
秋の日差しを浴びて、
きらきらと銀色に輝くすすきは、幻想的で、
思わず、写真をパチリ。
赤い色が、強い生命力を表し、
現実をしっかり見据えながら、
地に足をつけていく力強さを示す色なら、
ススキの白色は、心を浄化する祈りの色です。
ススキには、赤の背景の中で、ひときわ目立つように、
白い胡粉を使い、赤金で輝きを表現しました。
遠近感を出すために、
遠方のすすきは、薄めの胡粉、
手前のすすきは、濃いめの胡粉で塗っています。
「夕焼けとすすき」の描き方動画
今回は、ダイジェスト版でお届けします。
まとめ
今回は、
夕焼けの赤に秘められた色の持つパワーについて、
自然療法セラピストならではの視点で解説し、
また動画を交えて、
描き方のコツについても、解説しました。
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。