【墨彩画の描き方 中級講座】ハガキ絵②「ネコの描き方」を動画を交えて詳しく解説します。

らんちゃんの昼寝

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの

桂颯(けいそう)です。

今回は、

「墨彩画の描き方 中級講座」
ハガキ絵②「猫の描き方」を

お届けいたします。

皆さんは、

猫を描く時に一番大切なことって、

なんだと思いますか?

猫の毛の表現法?
猫の顔の表情の出し方?

確かに、それも大事なんですが、
もっと大切なことがあります。

それは、猫を見たときに感じる、
私たちの「心の動き」感動なんですね。

今回の墨彩画でしたら、
うちの猫らんちゃんを見たときに感じた、
「ああ、癒されるうううう」

という感動です。

炬燵の下で、

全く無防備に眠るらんちゃんを見て、
「なんて、気持ちよさそうに寝ているんだろう」
「猫って、すごいなあ、うらやあしいなあ」

としみじみ感じたんですね。

そうした気持ちをずっと持ち続けたまま、
ぶれずに、最後まで、

絵を描き続けることが、最も大事なんですね。

そうした感動が、
絵の構図を決め、線を決め、

色を決めるからです。

感動を大切に持ち続けていると、

たとえ、技術が追い付いていかなくても、

素敵な絵が描けるんですね。

全く絵を描いたことのない友人が、

15年間一緒に暮らしていた

愛犬を亡くしたとき、

愛犬を偲んで絵を描いたのですが、

その絵を見せて頂いたとき、

友人の深い愛情、心情が伝わってきて、

涙がでそうになった経験があります。

ちなみに、友人は、絵を描くことで、

ペットロスから立ち直れたそうです。

その時、私は、

絵の良し悪しは、

絵の技術力ではなく、

「人の強い想いや感動である」

と改めて確信した次第です。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、

今回の講座も、

最初に「猫の描き方」動画を

ご覧いただいた後で

詳しく解説していきますね。

もし、この動画をご覧になって、
わからないことがあったり、
全くの墨彩画初心者の方でしたら、
以下の順番で、受講されることをお勧めします。

ステップ①

「墨彩画ってどういう絵?」

墨彩画ってどういう絵? 初心者にもわかりやすく解説します。

ステップ②
「墨彩画はじめの一歩」
墨彩画で使う画材の紹介と
基本的な道具の扱い方をご紹介しています。

墨彩画はじめの一歩 ①画材をそろえよう!

ステップ③

「墨彩画描き方 初級講座」

初級講座では、
チューリップ、椿、木蓮、花菖蒲、

百合をモチーフにして、
基本的な墨彩画の描き方を学びます。
いろいろな種類のお花を描きながら
墨や筆、絵具に慣れて頂くことが目的ですが、
没骨法(もっこつほう)と鉤勒法(こうろくほう)の
2種類の描き方についても、

解説しています。

椿を鉤勒法と没骨法の二つの描法で描いてみました

初級講座でも、中級講座でも、
ハガキ絵の描き方にしているのは、
小さい絵なので、

すぐに仕上げることができる手軽さがあるので、
忙しい人にも、ピッタリだからです。

またハガキ絵のメリットについては、
以下の講座をご覧ください。

墨彩画 ハガキ絵を描く5つのメリット

この動画は、視聴時間を短くするために、

時々、2倍速、4倍速にしています。

それでは、詳しく解説していきましょう。

目次

本講座で使う画材

面相筆小1本、中1本
彩色筆または削用筆、または付立筆 1本

刷毛1本

白麻紙ドーサ引 (中厚~厚口)

    ドーサ引というのは、にじめ止め加工のことです。

生麻紙は、にじみやすいので、
描きにくいのです。
必ず、ドーサ引された麻紙を選んでください。

ご自分でドーサ引きされても良いです。

私は、

世界堂の越前和紙白麻紙(ドーサ引き)厚口

を使っています。

直接店舗で購入すれば、

60×90cm 1枚 1280円です。

近くのホームセンターの画材コーナーでも、

同様の価格で購入できました。

ネット検索したところ、
紙市楽座や楽天で、越前 白麻紙ドーサ引
【やや厚目) 3号 97×188cm

1枚 6930円(税込み)が出ていました。
少し高く感じるかもしれませんが、
ハガキサイズの紙が 120枚も取れますので、

たっぷり練習できますね。

お近くの画材店で直接、

「 日本画で使用できる紙」で相談されても、

良いかもしれません。

中級講座と初級講座の大きな違いは、

描き方がより繊細に、

表現がより豊かになってくるので、

そうした描き方を可能にする紙を選ぶことが

とても重要となってくるんですね。

   膠液
墨彩画で使用する顔彩絵具は、

紙への定着が弱いので、
膠液を使って、定着力をアップさせます。

私は、膠液を自分で作ったり、

吉祥の膠液を使ったりしています。

今回使った顔彩の色

     少量の絵具の場合は、顔彩
多めの量を使う場合は、

顔彩チューブ絵具を使います。

墨 胡粉、燕脂、鶯茶緑、黄土、岱赭

胡粉は、中級講座では、たくさん使うので、

チューブ絵具をもって置かれると良いでしょう。

顔彩チューブ絵具については、

以下の講座を参照してください。

【墨彩画の画材】顔彩の次は、顔彩チューブ絵具を揃えよう!

描き方の大まかな順番

スケッチ帳に下絵作成→紙への転写→

墨による骨書き
までは、初級講座と同じです。

中級講座では、

胡粉の下塗りと背景塗りが加わります。
この時、刷毛を使います。

今回、動画では、

刷毛の代わりに連筆を使っています。
刷毛よりも、

柔らかい感触で紙を傷めずに塗ることができます。

下塗りは、

できるだけ薄い色で薄く塗ります。

その後も、少しづつ水筆でぼかしながら、

重ね塗りをして仕上げていきます。

描き方のコツ

No1 事前にスケッチを行っておく

猫を描く場合、作品の出来は、

下絵の段階で決まるといっても

過言ではありません。

 下絵がきちんと描ければ、

80%仕上がったも同然です。

 なので、
猫に慣れるために、下絵を描く前に

スケッチをたくさん行いましょう。

No2 重ね塗りは、薄い色から少しづつ

彩色の際は、いきなり濃い色を塗らずに、

薄い色から少しづつ濃くしながら、

水筆で暈しながら、塗っていけば、

失敗することはありません。

水筆とは、

水をふくませた彩色筆または削用筆のことです。

水筆の水分が多すぎると、

塗った絵具が移動してしまうので、

必ず

ふきんやタオルで、水分を拭き取ります。

No3 前の絵具が完全に乾いてから
次の絵具を塗る

絵具が乾かないうちに、

次の絵具を塗ると、

混ざり合って、汚い色になったり、

逆に絵具がはがれたりします。

絵具を乾かすために、

ドライヤーを使ってもかまいません。

No4 体の白い毛の表現は、

筆の先を割って表現

胡粉をつけた後、
筆の先を割り、動画のように

すばやく筆を走らせて塗ります。

No5 ひげを描く際には、

胡粉の濃度を調整

猫のひげや耳の毛の細い線を描くのは、
最も難しいと言えます。

胡粉の濃度が濃すぎても、薄すぎても、

うまくいきませんので、

事前に何度か調整して描いてください。

この線が描けるようになると、
虫の足や触覚が描けるようになります。

まとめ

今回は、
猫を描くときに、最も大切なこととは?
中級講座で準備する画材について、
描き方のコツなどを
動画を交えてわかりやすくご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。
最後までご覧頂きありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。