こんにちは。
墨彩画家でセラピストの
桂颯(けいそう)です。
グリーンパウゼのお庭では、
四季咲きのバラの花が、
今年2回目の花を
咲かせてくれるようになりました。
早速、ハガキ絵にして描いてみました。
秋のお花は、春のお花よりも、
少し小さめでしょうか?
でも、相変わらず、可愛い!!
以前、お伝えしていたように、
切り花のバラを描くのは、時間勝負です。
切ったときは、こんな感じでも、
翌日は、こんな感じ。
開き切ってしまって、
別人、いや別花のような変わりようです。
しかも、
花瓶に挿したお花を
眺めながら描いていても、
刻々と、花びらが開いて
姿が変わってくるので、
「あれ、今、どこを描いていたんだっけ?」
ということになります。
なので、必ず、
お花を切って花瓶に挿したばかりの時に、
写真を撮っておきます。
でも、せっかくですので、
今回、この開き切ったお花、
分解してみることにしました!!
お花を描いていると、いつも、
「中はどうなっているんだろう」と
よく疑問に思います。
歴代の画家たちも、
同じ疑問をもっていた人も多いみたいで、
画集などを見てみると、
よくお花の分解図などが描かれていますから。
丁寧に描こうとすると、
お花の構造をよく理解していないと
描けないことってあるんですよね。
そこで、
開き切ったお花を分解してみました。
ちょっと可哀そうだったけど、
「ごめんね」と謝りながら、
解剖させていただきました。
目次
お花の分解
花びらは、花芯に対して、
互い違いにうまく配列されています。
また、
花びらは、薄く、一枚一枚、
外側にくるっと巻いていますね。
これ、バラの花の特徴です。
葉っぱの特徴
バラの葉っぱの形は
円くてかわいいですね。
一つの茎に対して、葉っぱは5枚。
この5枚の葉っぱは、バラの特徴です。
このバラには、あまりとげがありませんね。
また、
葉っぱは、茎に対して、
互い違いに出てきていて、
うまく日光が当たるように配列されています。
こういう自然の合理性を見ると、
つくづく、神様ってすごいなあと思います。
神様の存在を信じるか、
信じないかは別にしてです。(^^);
天のはからいとは?
食べ物を求めて、
何千キロも海を旅する渡り鳥
最初の鳥は、
どうやって遠くに食べ物があることに
気がついたのでしょうか?
自分を強く見せるために、
毒蛇とそっくりなカラフル模様になった
無毒のヘビ。
あの小さな頭で、
「そうだ! 毒蛇の真似をしよう」と
考え付いたとは思えない。
敵に襲われないように、
木や葉っぱに擬態する虫たち。
思考しない彼らに、
何故、どうして、
そんなことができたのでしょうか?
大昔から、
植物も動物も、
人知では計り知れないところで、
進化し続けています。
そういう自然の摂理を見ると、
「天のはからい」を
感じないではいられない。
あ、話がだいぶそれましたね。
ごめんなさい。
気を取り直して、
バラの話にもどります。
今回のモデル
さて、今回は、
バラを花瓶に生けた状態で描いてみました。
花瓶をぶら下げるつるが
面白いと思ったからです。
やはり、このバラのお花は
とても良い香りがします。
今回使った絵具の色
背景と花瓶
墨、栗皮茶、黄土
花
胡粉、燕脂、鮮光黄
葉っぱ
墨、青草、若草、
葉脈と茎
白緑、青草
描き方のコツ
1、花びらの色の変化を表現するために、
薄い色を何層も重ねて描きました。
2、葉っぱの重なりをはっきりさせるために、
墨を混色した青草で、濃淡をつけ
一枚一枚の葉っぱを区別しました。
3、主人公のお花を目立たせるように
葉っぱの緑の彩度や明度を、低くしました。
課題点
今回、紙選びに失敗しました。
表面の粗い麻紙に描いたのですが、
背景を塗ったときに、
表面がけば立ってしまいました。
また、この麻紙は、
絵具ののりがいまいちなので、
絵具を何層も重ねる花びらは、
だんだん厚ぼったくなってしまいます。
薄くてひらひらした感じの
花びらを描くのには、
適していなかったように思います。
次回、バラを描く時には、
もっと表面の滑らかな紙にしようと思いました。
紙選びについて
墨彩画を描く際、
紙選びは、とても重要です。
鉤勒法で描く場合、
水墨画で使われるような画仙紙は
使わない方が無難です。
吸収しすぎるからです。
日本画で使う雲肌麻紙に描くのが
ベストのように思いますが、
大変、高価です。
普段使いや練習用に使うには、
適していません。
そこで、ハガキ絵を描く際には、
お手頃価格の麻紙に描くことが多いのですが、
お花によっては、
向かないこともあるんですね。
描き方動画
この動画は、視聴時間を短くするために、
2倍速、4倍速のダイジェスト版にしています。
まとめ
今回は、
「顔彩だけで描く日本画 バラの描き方」を
テーマに、
バラを分解して解説したり、
使った絵具、描き方のコツ、紙についてなど、
お話しました。
いかがだったでしょうか。
今回は、ここまでです。
最後まで、ご覧頂きありがとうございました。
次回、またお会いしましょう。