【顔彩で描く絵手紙シリーズ】ユリの描き方:紙で異なるユリの表現とは?

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

今回は、「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
「ユリの描き方」をお届けします。

ユリには、いろんな種類がありますが、
今回描くのは、「スターゲイザーリリー」という品種です。

英語で書くと、Stargazer「空を見つめる人」。

花が上を向いて育つことに由来するそうです。

ピンク色の大輪の花を咲かせるスターゲイザーリリーは、
美しいだけでなく、香りも素晴らしいんですよ。

わたしは、昔からユリの花が大好きで、
よくモチーフにして墨彩画を描いています。

特に、大輪で香り豊かなカサブランカが好きで
うちで育てているんですよ。

毎年初夏になると、このようにたくさんお花を咲かせてくれます。

玄関に飾ると、豪華なお花だけでなく、香りも素晴らしいので、
いつも幸せな気分にさせてくれます。

やはり、自分で育てていると、
成長の過程を観察できますし、
写真と違って、細部まで確認できるので、
じっくり、隅々まで描きこむことができるんですね。

たくさん写生もできます。

しかし、絵手紙にするのなら、
この白いカサブランカよりも、
ピンク色のスターゲイザーの方が
断然良いと思いました。

色のある方が、見栄えがしますから。

そこで、今回は、白いカサブランカを参考にして、
スターゲイザーリリーをドラマチックに演出して描きました。

写真を見比べるとわかりますが、
なんといっても、カサブランカの花びらの反り具合の方は、
とてもドラマティックですから。

自由に描けるのが、絵手紙の楽しいところです。

まずは、ユリについて、その特徴やお花の構造について
解説します。

次に、ユリの描き方ポイントについてお話しします。

そして、今回のもう一つのテーマとして、
「紙で異なるゆりの表情」と題して、
紙の種類で、ゆりの表情がどう変わるかについて
これまで描いてきた作品をもとに
解説していきたいと思います。

今回も、盛りだくさんの内容ですので、
最後まで、ご覧くださいね。

目次

ユリとは?

ユリ科ユリ属の多年草で、
初夏から夏にかけて、
香りの良い花を咲かせる球根植物です。

野生種だけでなく、園芸品種もあわせると、
非常に多くの種類が存在します。

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はゆりの花」
という諺があるように、
昔から、美しい女性を例える表現にも使われてきたほど、
日本で愛されてきたお花です。

世界でも人気で、特に白いユリは、
「聖母マリアの花」とされ、
神聖な花とみなされているようです。

ユリの花の構造とは?

ユリの花には、6枚の花びらがあるように見えますが、
実は、外側の3枚はガク片で外花被と呼びます。

内側の3枚が、本当の花びらで内花被です。

それぞれの花びらの基に、
1本づつおしべがついているので、
計6本のおしべがあり、
お花の中央には、めしべが1本あります。

花びらの形には、
テッポウユリやスカシユリのように、
あまり反り返らない種類、
カサブランカやカノコユリのように、
くるりと外側に反り返って、丸まっている種類など、
さまざまな種類があります。

ユリの花色にも、
ピンク系、黄色系、白系の3種類があります。

ユリの描き方ポイント

ポイント1 斜め横方向から

ユリの花に限らず、ツツジなどもそうですが、
筒状のお花を描く場合は、
斜め横方向から見た角度で描
きます。

真正面から描くと、筒状の形を表現することは難しいし、
今回のような、ドラマティックな花びらのそりかえりも
表現できないからです。

ポイント2 お花の奥行きを色の濃淡で表現

お花の奥行きは、花いろの濃淡で表現します。

同じ顔彩(紅梅)を使って、
2、3回、色を重ね、塗りぼかしていきます。

顔彩は乾くと、色が薄まるので、
様子を見ながら、色の調整を行います。

ポイント3 お花の中心を意識して花びらを配置

また、いつも申し上げていることですが、
お花の中心をしっかり、捉えて花びらを配置させることです。

特に、今回のような変化に富んだ花びらを描く場合、
中心がずれると、整合性がとれなくなり、
いびつな花姿になってしまうからです。

描き方動画

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Youtubeの「桂颯」「さわやか墨彩画教室」では、

他にも、さまざまな描き方動画を

アップしていますので、お気軽にご覧いただけます。

そして、Youtube動画の詳しい解説は、

こちらのブログで行なっています。

つまり、両方をご覧になると、

しっかりご理解いただけると思いますので、

よろしくお願いいたします。

紙質によって異なるユリの表現

水墨画用画仙紙

水墨画で描いた作品

この画仙紙は、滲みのある薄い紙質なので、
早い筆遣いが必要とされました。

水墨画 百合

同じく、薄くにじみのある画仙紙に描いた
墨彩画のユリです。

顔彩がすぐににじんでしまうので、
細やかな表現はできません。

にじみやすい画仙紙は、
鉤勒法よりも、没骨法による描き方に適しています。

鉤勒法と没骨法の二つの描法

墨彩画 ピンクの百合

今回と同じ画仙紙のハガキに描いた
過去のはがき絵作品

この作品は、下記の講座で描き方を解説しています。

今回の絵手紙よりも、シンプルですね。

画仙紙の色付きの色紙に描いた作品。

背景に色があると、
白いユリをくっきり描くことができます。

今回の絵手紙のユリの描き方と同じ要領で、
色紙に描けます。

同じ画仙紙なので、描き方は一緒です。

色紙 墨彩画 白百合


厚みのある白麻紙

画仙紙に比べて、白麻紙は丈夫なので、
背景を縫ったり、細かく描きこむことができます。

まとめ

今回は、
「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
ユリの描き方をお届けしました。

まず、ユリについての特徴やお花の構造について
解説した後、描き方ポイントを説明しましたね。

そして、もう一つのテーマである
「紙の種類で異なるユリの表情」と題して、
さまざまな紙に描いた過去の百合作品を
ご紹介し、紙の特性について説明しました。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。