【顔彩で描く絵手紙シリーズ】お抹茶と桜餅の描き方:「お茶どうぞ」に秘められた深い意味とは?

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

今回は、【顔彩で描く絵手紙シリーズ】として
「お抹茶と桜餅の描き方」をお届けします。

といっても、この絵手紙の描き方は、
この後にご紹介する「描き方動画」をご覧になれば、
ほぼご理解いただけると思います。

かなり丁寧にわかりやすく動画を作成していますので、
これ以上、補足することはありません。

今回、最もお伝えしたいことは、
絵手紙に添えた文章「まあ、お茶でも一服召し上がれ」
の方なのです。

実は、これは、
禅語「喫茶去」(きっさこ)からきています。

なんでもない平易な言葉の奥に、深い意味が込められているのが
禅語です。

今回は、この「喫茶去」について
わたしなりに理解しているところを
解説したいと思います。

まずは、描き方動画をご覧ください。

目次

描き方動画

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そして、Youtube動画の詳しい解説は、

こちらのブログで行なっています。

つまり、両方をご覧になると、

しっかりご理解いただけると思いますので、

よろしくお願いいたします。

禅語「喫茶去」とは?

「喫茶去」(きっさこ)の意味には、
いろいろな解釈があるようですが、
私は、シンプルに
「まあ、お茶でも一杯召し上がれ」と捉えています。

忙しく生活していると、時間に追われて、
心に余裕がなくなっていきます。
次から次にやってくる目の前の仕事をこなすことに必死で、
ついゆとりの心を忘れてしまいがちです。

そんなときに、ほっとひといき。
「まあ、お茶でも飲んで、一息入れませんか?」
と周りの人にも、自分にも、
声をかけたいのです。

これは、緊張と弛緩のバランスを整えることの重要性を知る
セラピストの立場での解釈といえましょう。

自律神経は、緊張を司る交感神経と
弛緩を司る副交感神経のバランスが取れていなくては
失調してしまうからです。

禅僧 枡野俊明氏の「喫茶去」に学ぶ

私の尊敬するご住職「枡野俊明」氏は、
著書「禅の言葉」の中で
喫茶去について、次のように解説しておられます。

「私たちの命は、この大宇宙で一つだけのもの。
だからこそ、今という一瞬を大事に生きなければなりません。
一杯のお茶をいただくときにさえ、
無心になって喫すること。
一瞬の積み重ねで人生は築かれているのです。」と。

私たちは、淡々とした日常のくりかえしをつまらないと感じ、
つい特別なことや刺激を求めがちです。

しかし、そんな特別な日は、めったにありません。
一年に数回あるかないかぐらいでしょう。

第一、もし、心が躍るような特別な日が毎日あったとしたら、
それは、当たり前の日になって、特別な日でなくなってしまうのです。

「喫茶去」の教えは、
特別な日を追い求めるのではなく、
淡々とした日常の中に幸福を見つけることです。

仕事や家事が一段落した時に、一杯のお茶を飲む。

ほっと一息つきながら、お茶をのむことだけに心を集中させてみる。

「ああ、おいしい」という言葉あ自然と口をついて出る。

その瞬間にこそ、生きている実感が宿ると枡野氏は語っておられます。

日々の暮らしの中には、たくさんの宝石が散らばっていると。

趙州喫茶去の話

中国唐時代の有名な禅僧、趙州和尚にまつわる有名なエピソードがあります。

この趙州和尚のもとに、修行僧が教えを受けたいと訪れました。

趙州「前にもここに来たことはありますか?」
修行僧「来たことがあります」
趙州「喫茶去」

また、あるときに、別の修行僧が訪ねてきました。

趙州「前にもここに来たことはありますか?」
修行僧「いいえ。来たことはございません」
趙州「喫茶去」

この様子を見ていたお寺の院主が、趙州和尚に尋ねます。

「和尚さんは、どうして、来たことがある人にも、はじめて来た人にも、
同様に、喫茶去というのですか?」

すると、趙州は、「院主さん!」と声をかけます。
院主さんは答えます「はい!」
趙州「喫茶去」

このエピソードについての解説は、
お坊様によって、さまざまですし、
とても深い教えのように思われます。

しかし、

私は、シンプルに、
「相手がだれであろうと、
ただ無心に向き合って、
相手のためだけに、いっぱいのお茶をすすめる。

と解釈するのが好きです。


まとめ

今回は、「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
「お抹茶と桜餅の描き方」を動画でお届けし、

また絵手紙に添えた
「まあ、お茶でも一服召し上がれ」の意味について
禅語「喫茶去」に絡めてお話しました。

喫茶去にまつわる、深い意味についての説明は、
いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。