【顔彩で描く模写シリーズ】若冲の雄鶏図③:若冲の色マジックは凄すぎる!

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、若冲の雄鶏図模写3回目です。

1回目は、雄鶏図の骨描きまで行いました。

2回目は、雄鶏図の色を解析するために、
iPadアプリのProcreateを使って、
背景の色ととさかの色について、
調べましたね。

3回目は、下塗りからです。

最初は、さっさと二度塗り、三度塗りと、
全体的にすこしづつ仕上げていくつもりでした。

ところが、頭部を描いているうちに、挫折し、
尾羽を描いている途中で挫折しと、
なかなか筆が進まなくなってしまったのです。

なぜなら、ものすご〜〜〜〜〜〜〜〜く、
ものすご〜〜〜〜〜く
細かい作業で描かれていて、圧倒されてしまうからです。

頭部、尾羽、足、お腹の羽、背中の羽、
その一つ一つの部分が、
気の遠くなるような細かい作業で描かれているのです。

こうなったら、腹を据えて、
若冲の懐に入って、しっかり学ばせてもらおう!
と覚悟を決めました。

おそらく、膨大な時間がかかることでしょう!


そこで、私は、一部分づつ、
集中的に仕上げていくことにしました。

こういう細かな絵を描く場合、集中力は30分が限度です。

虫眼鏡で確認しながら描くので、目も疲れてきます。

そこで、タイマーを使って、20分たったら休憩し、
また20分描いたら休憩しというやり方で描いていきました。

これだと、集中力が持続するんですね。

「もっと描きたいのに・・」というところで、
やめるのが、コツです。

そういうわけで、若冲の模写図は、部分ごとに
数回に分けて、解説していきますね。

私にとって、大変勉強になりますが、
この講座をご覧になる皆さんにとっても、
きっと、役に立つ内容になると思います。

そこで、今回は、「尾羽」の描き方について
解説していきたいと思います。

顔彩による挑戦


上の画像は、尾羽の部分だけを描いたものです。

実際は、若冲は、お金持ちだったので、
かなり高級な岩絵具を使ったようです。

しかし、私は、顔彩だけで、
どこまで若冲の絵に近づくことができるか、
チャレンジしてみようと思っているのです。

日本画を描きたい!

日本の伝統的な花鳥風月の趣ある絵画を描きたい。

しかし、日本画で使う岩絵具は値段が高いし、
手間もかかるので、敷居が高い。

もし顔彩で、描くことができたら、
経済的にも、時間的にも、かなり負担が少なくなるし、
だれでも気軽に描くことができるはず。

私が、鉤勒法で墨彩画を描こうと思った理由です。

背景塗り

前回は、骨描きまで終えていましたので、
今回は、背景塗りからですね。

背景の色は、前回、お伝えしたように、
iPadアプリのProcreateで解析し、
黄土に胡粉と墨を混色して、
彩度低め、明度高めで調整して色の調整を行いました。

白い羽の下塗り

まず、白い羽の部分を、薄めの胡粉で下塗りします。

全体の下塗り

写真を見ながら、黒い羽は墨で、
茶色の羽は、黄土、栗皮茶、墨の混色で、
とさかは、前回、Procreateで解析したように、
上朱で、おおまかに下塗りします。

若冲の白のマジック

白のマジック

① この白い羽の部分の描き方は、
5段階に分けて描いています。

1、薄い胡粉で下塗りをします。
2、両側の外から内に向かって、
  濃いめの胡粉を塗ります。
3、水筆で中心に向かってぼかします。
4、濃い胡粉で、中心の線を描きます。
5、中心から外に向かって、
  細かい線を描きます。

② 中心の線上に、小さい白い線が描かれているのがわかるでしょうか?
ここは、羽が取れてしまったんですね。
そして、少しだけ、残骸が残っているということでしょうか。

③ 白い羽の毛先が、ほんの少し見えています。
 模写しなければ、見過ごしてしまうほどの細かい演出です。

この雄鶏図は、ぐっと足を握り、片足をあげ、
かっと目を見開いて、遠くを見つめる姿は、
まるで、歌舞伎役者が見得を切っているようにも見えます。

中心から外に向かって、筆をぐっと払う感じで描きます。
描く時、一瞬、息が止まるほどの緊張感を感じるのです。

そう、まるで、歌舞伎役者が見得を切っているように。

羽の中の白い線を描くときも、真剣勝負です。
胡粉の濃度が薄すぎても、濃すぎても、
筆のスピードが遅すぎても、線はうまくかけません。
難しいのですが、とても勉強になりますね。

この緊張感は、羽の表現にも出てくるんですね。

遠くから見れば、白一色に見える羽も、
実は、このように数段階にわたって細かな作業がなされています。

若冲先生、凄い!

若冲の黒のマジック

白の羽の先をご覧ください。
鋭く尖っていることがわかるでしょうか?
 これは、胡粉でこのように描くのではなく、
周りの墨を塗って、白い羽の先端を尖らせるのです。この表現によって、羽の先まで、緊張感がみなぎっています。

黒い羽が重なっています。
 実際の絵が、どうなっているか、わかりませんが、私は、墨を何層にも塗り重ねて、羽の違いを表現するようにしました。
また、中心の薄い線で羽の向きがわかりますね。この線は、胡粉+墨に、紫を少し入れてみました。

尾羽の先は、丸くやんわりとがっています。
全ての尾羽の先は、この形です。
とがりすぎるのでも、丸いのでもなく、
この形に統一されているのです。

④ この部分は、黒ではありません。
墨に胡粉を少し混色して、わずかに黄土を加えてあります。
実に細かい表現ですね。

若冲の茶色のマジック

茶色の羽も、細かく塗り分けられています。

  • 黄土、栗皮茶、墨、胡粉を混色し、
    明るめに調整して、下塗りをします。
  • 栗皮茶と墨で混色して、二度塗りして、
    水筆でぼかします。
  • 黄土、胡粉で明るめに調整して、
    細かい線を描きます。

② 黄土と墨だけで、①と同様に、
3段階に分けて塗っていきます。

③ 黄土、墨、鶯茶録、胡粉を混色して、
 ①や②と同様に、3段階で塗っていきます。
最後の線は、暗めの胡粉で描きます。

まとめ

今回は、若冲の雄鶏図の模写3回目として、
尾羽に見る若冲の色マジックについて、
白、黒、茶色の羽の表現について
解説しました。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

次回は、足の表現について、解説していきますね。
これが、またものすごく細かいんです。

お楽しみに。

では、また次回、お会いしましょう!