こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯
(けいそう)です。
今回は、酔芙蓉のハガキ絵の描き方を
ご紹介しようと思います。
実は、この写真は、
自転車で買い物に出かけた際、
この花の美しいピンクが、
ぱっと目に飛び込んできて、
思わず、足を止めて撮影したものです。
人家の庭ではなく、
道路わきに咲いていたので、遠慮なく、
ぱちぱち写真を撮ることができました。
よく見ると、
この美しいピンクのお花は、
なんと
道路わきのコンクリートと塀のわずかな隙間から
出てきていました。
自宅に帰って調べてみると、
お花の名前は、「酔芙蓉」。
コンクリの間から咲いていたので、
「ど根性酔芙蓉」ですね。
花びらに、ほんのり紅が差す
繊細な美しいお花の姿とは裏腹に、
たくましい強さがあります。
小学生の頃に読んだ物語「小公女」のようです。
小公女セーラは、どんな逆境の中でも、
気品と優しさを失わず、
凛としていた小さな淑女.
私は、早くこのお花を描きたくて、
この美しいピンクをどう表現しようか、
数日間、わくわくして過ごしました。
というわけで、
今回は、
「墨彩画の描き方 酔芙蓉のハガキ絵」
First Impressionを大切に!
というテーマでお届けいたします。
目次
First Ipressionとは?
さまざまな絵の描き方があります。
どこまでも、実物に近づけて
まるで、本物と見間違うほど、
細かく描きこむ方法もその一つでしょう。
しかし、墨彩画では、
お花が持つ印象を大切にするので、
没骨法(もっこつほう)により、
大胆に単純化して描いたり、
抽象化して、
描いたりすることが多いのです。
ただ、
私は、墨彩画の中でも、
できるだけ実物に忠実に描きたい
と思っているので、
鉤勒法(こうろくほう)で描きます。
没骨法と鉤勒法については、
以下のサイトをご覧ください。
何故なら、
自然の持つ美しいフォルムには、
黄金比の比率があり、
なんともいえない心地よさがあるからです。
けれど
リアルに描くことよりも、
First Impressionを大切にして
描くようにしています。
First Impressionは、
日本語で言えば、
「第一印象」と訳されるのですが、
ちょっと意味合いが違う気がします。
そのお花を見たとき、
最初に「どこに心打たれたか」
「どこに魅了されたか」
という意味合いが強いので、
「第一印象」というより、
なんとなく、
First Impressionという方が
ピッタリくる気がしたのです。
今回の酔芙蓉の私のFirst Impressionは、
ぱっと目に飛び込んできた、
この美しいピンクの花びらでした。
鮮やかなピンクではなく、
繊細な薄い紅色。
はかなさそうでありながら、
強さを秘める優しいピンク。
ピンク色は、カラーセラピーで言えば、
愛の象徴。やさしさの象徴でもあります。
この優しいピンクが
ぱっと画面に広がる墨彩画にしよう!
と思いました。
具体的な描き方のコツ
具体的な描き方としては、
主役と脇役をはっきりさせることです。
主役は、お花。
脇役は、葉っぱ。
主役のお花のピンクが浮き立つように、
脇役の葉っぱは、できるだけ色調を抑え、
シンプルに描きました。
背景の色も、
ピンクの色と調和する色を選択しました。
花びらは、
できるだけ繊細に表現できるように、
薄い色を何層も重ねて、
微妙な色合いを出すように努めました。
墨彩画の注意点
薄い色を何層も重ねていく鉤勒法の描き方では、
必ず、前の絵具が完全に乾いてから、
次の絵具を塗ります。
乾かないうちに、次の絵具を塗ると、
汚い色になったり、
前の絵具がはげたりするからです。
なので、私は、
異なった向きの酔芙蓉の下絵を2枚、
準備し、交互に描きました。
いつも、感動の余韻を感じながら
写真は、
実物と全く同じに撮影されるわけではありません。
けれど、写真を見ることで、
そのときの感動を思い出すことはできます。
なので、私は、
撮影した酔芙蓉の写真を横に置いて描きました。
けれども、写真を忠実に再現するのではなく、
自分の感動を絵にすることを念頭に置きます。
私の墨彩画の師匠は、
「花の美しさは、到底、実物にはかなわない。
だからといって、
実物と全く同じに描いたものは、
芸術とはいえない。それは写真だ」
とおっしゃっていました。
墨彩画を描くということは、
自然への感動を描くということなのです。
酔芙蓉の描き方動画
皆様の視聴時間を節約するために、
2倍速、4倍速で動画を作成いたしました。
まとめ
今回は、
「墨彩画の描き方 酔芙蓉のハガキ絵」
First Impressionを大切に!
というテーマで、
お花に対する感動を大切にして、
絵を描こうという内容でお伝えいたしました。
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
最後までご覧くださりありがとうございました。
次回、またお会いしましょう。