![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/39A89926-B84E-48D6-A053-CB5B17CE7D53.jpeg)
こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
さて、今回のテーマは、「仏画」です。
ここに挙げた画像は、
高野山清涼院ご住職 高野山伝燈大阿闍梨、
静慈圓(しずか じえん)氏のお描きになった
大日如来の下絵を私が写仏したものです。
大日如来とは、空海が伝えた真言密教における最高の仏さまで、
「宇宙そのもの」「仏法そのもの」というべき
ありがたい存在なのだそうです。
今回は、下記の本に掲載されていた大日如来の下絵を
A3まで拡大コピーして、
麻紙の下に敷き、その上をなぞり描きして写仏しました。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/E33B2225-A1FA-4D84-8440-E7FE99E7DDC6-223x300.jpeg)
しまった!
もっと簡単な仏画にすればよかった!
と後悔するほど、緻密で、線が細かく、かなり苦労しました。
全てを描き終えるのに、数日間、何時間も要しましたが、
描いている間は、本当に楽しい時間でした。
今度は、この下絵をもとに、
何時間かかけて、彩色していくつもりです。
仕上がったら、アップさせていただきますね。
今回は、
「いったい何故、こんなに大変な手間をかけてまで、写仏を行うのか」
をテーマにお届けいたします。
目次
仏画を描こうと思った第一の理由
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_3659-scaled.jpg)
NHK「天空チベット タンカ絵師の郷」という
ドキュメンタリー番組を見て刺激を受けたからです。
四川省の北西、チベット高原東端にあるザムタンは、
貧窮を極める地域です。
それを救うために、チベット仏教のお坊様が、
門外不出とされていたチベット芸術の秘伝(タンカと呼ばれる仏画の描き方)を
郷の若者たちに継承させ、生活の糧にできるよう伝承所を開きました。
若者たちは、伝承所で8年間修業して、
ようやく絵師になることができるのです。
タンカというのは、チベット仏教の仏画の掛け軸のことですが、
チベットに住む一般家庭のほとんどの家に、
このタンカが飾られて信仰の対象になっています。
チベットに住む人々は、皆、信心深いのですね。
若者たちは、毎日毎日、一日の大半を真摯に仏画に向き合い、
次第に緻密なタンカを描けるようになっていきます。
8年の修行を終えた若者たちが、卒業制作で描いたタンカは、
ただただ美しく見事な作品でした。
芸術としてではなく、信仰の対象として描かれる絵というのは、
邪念の入るすきが微塵もなく、
とてつもなく荘厳で、すがすがしく美しいと感動したのです。
私も、心爽やかに仏画を描きたい。
描いて、床の間に飾りたいと思った次第です。
仏画を描こうと思った第二の理由
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/04/IMG_3715-scaled.jpg)
私は、どこかの宗派に属する熱心な仏教信者と
いうわけではないのですが、
朝夕、般若心経を称えていた大好きな祖母の影響を受けて、
仏教にはご縁が深く、般若心経は暗記していますし、
しばしば一人で、写経や坐禅を行っています。
たとえ、10分でも、写経や坐禅を行うと、
その日は、とてもすがすがしく気持ちが良いからです。
なので、これからは、
心を安定させるための修行として、
写仏もやっていこうと思ったわけです。
これまで、仏画の本は、何冊も購入していましたが、
今一つ、実行するまでに至りませんでした。
けど、今回出会った本は、
「空海と始める仏画」と題されていて、ノックアウト。
私は、空海という方をとても尊敬しているからです。
それに、お坊様の描かれた仏画は大変気持ちいい。
絵というのは、描いた人の心がそのまま反映されるものだから。
いつか、私も、すがすがしい仏画を描けるようになりたい!
仏画を描こうと思った第三の理由
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/04/waterfall-5523833_1920-1.jpg)
面相筆の細かな筆使いの練習になると思ったからです。
今回、私が選んだ大日如来は、
非常に緻密な細い線で描かれていますので、
細心の注意を払わないと、小さな数珠などは、描けません。
筆に含ませる水や墨の量、筆先の整え方、墨の濃さなどで、
線は、太くなったり、細くなったりするからです。
今回は、選んだ紙が中厚の麻紙で、
下絵が見えずらかったため、うまく描けませんでした。
特に、冠の部分は、下絵がほとんど見えなかったので
きちんと描かれていませんし、
円光の線は、強弱がついてしまい、安定していません。
反省点です。
細い線が安定して描けるようになると、
花鳥画で、細かい描写が上手にできるようになりますものね。
墨彩画で描く、蜂や蝶、トンボなどの虫の足や
お花の雄しべやめしべは
本当に細く、しかも一発勝負だから、神経を要するのです。
こうした仏画を日常的に描いていれば、
面相筆の扱いがうまくなることでしょう。
仏画を描こうと思った第四の理由
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/04/camellia-6149727_1920.jpg)
亡くなった友人や親せきの方々に想いを馳せ、
清らかな気持ちでご供養したいから。
仏画を描こうと思った第五の理由
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/04/IMG_5617-scaled.jpg)
「さわやか墨彩画教室」は、
もともと「桂颯の世界」祈りの書画集
というサイト名でした。
私が描く絵は、祈りの絵だからです。
描く人も、見る人も、すべてに幸あれ
という願いを込めているサイトだからです。
お坊様の描かれた仏画は、
私の写仏を通して、このHPを通して、
きっと、見てくださる方に、
功徳を与えてくれるはずです。
まとめ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG_5677-scaled.jpg)
今回は、仏画をテーマに
私の想うところを述べさせていただきました。
今回は、ここまでです。
最後まで、ご覧くださりありがとうございます。
次回、またお会いしましょう。