【墨彩画の参考資料 仏画】大日如来を写仏しました!

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

さて、今回のテーマは、「仏画」です。

 

ここに挙げた画像は、

高野山清涼院ご住職 高野山伝燈大阿闍梨、

静慈圓(しずか じえん)氏のお描きになった

大日如来の下絵を私が写仏したものです。

 

大日如来とは、空海が伝えた真言密教における最高の仏さまで、

「宇宙そのもの」「仏法そのもの」というべき

ありがたい存在なのだそうです。

今回は、下記の本に掲載されていた大日如来の下絵を

A3まで拡大コピーして、

麻紙の下に敷き、その上をなぞり描きして写仏しました。

しまった!

もっと簡単な仏画にすればよかった!

と後悔するほど、緻密で、線が細かく、かなり苦労しました。

全てを描き終えるのに、数日間、何時間も要しましたが、

描いている間は、本当に楽しい時間でした。

 

今度は、この下絵をもとに、

何時間かかけて、彩色していくつもりです。

仕上がったら、アップさせていただきますね。

 

今回は、

「いったい何故、こんなに大変な手間をかけてまで、写仏を行うのか」

をテーマにお届けいたします。

目次

仏画を描こうと思った第一の理由

NHK「天空チベット タンカ絵師の郷」という

ドキュメンタリー番組を見て刺激を受けたからです。

四川省の北西、チベット高原東端にあるザムタンは、

貧窮を極める地域です。

それを救うために、チベット仏教のお坊様が、

門外不出とされていたチベット芸術の秘伝(タンカと呼ばれる仏画の描き方)を

郷の若者たちに継承させ、生活の糧にできるよう伝承所を開きました。

若者たちは、伝承所で8年間修業して、

ようやく絵師になることができるのです。

タンカというのは、チベット仏教の仏画の掛け軸のことですが、

チベットに住む一般家庭のほとんどの家に、

このタンカが飾られて信仰の対象になっています。

チベットに住む人々は、皆、信心深いのですね。

若者たちは、毎日毎日、一日の大半を真摯に仏画に向き合い、

次第に緻密なタンカを描けるようになっていきます。

8年の修行を終えた若者たちが、卒業制作で描いたタンカは、

ただただ美しく見事な作品でした。

芸術としてではなく、信仰の対象として描かれる絵というのは、

邪念の入るすきが微塵もなく、

とてつもなく荘厳で、すがすがしく美しいと感動したのです。

私も、心爽やかに仏画を描きたい。

描いて、床の間に飾りたいと思った次第です。

 

仏画を描こうと思った第二の理由

私は、どこかの宗派に属する熱心な仏教信者と

いうわけではないのですが、

朝夕、般若心経を称えていた大好きな祖母の影響を受けて、

仏教にはご縁が深く、般若心経は暗記していますし、

しばしば一人で、写経や坐禅を行っています。

たとえ、10分でも、写経や坐禅を行うと、

その日は、とてもすがすがしく気持ちが良いからです。

なので、これからは、

心を安定させるための修行として、

写仏もやっていこうと思ったわけです。

これまで、仏画の本は、何冊も購入していましたが、

今一つ、実行するまでに至りませんでした。

けど、今回出会った本は、

「空海と始める仏画」と題されていて、ノックアウト。

私は、空海という方をとても尊敬しているからです。

それに、お坊様の描かれた仏画は大変気持ちいい。

絵というのは、描いた人の心がそのまま反映されるものだから。

いつか、私も、すがすがしい仏画を描けるようになりたい!

仏画を描こうと思った第三の理由

面相筆の細かな筆使いの練習になると思ったからです。

今回、私が選んだ大日如来は、

非常に緻密な細い線で描かれていますので、

細心の注意を払わないと、小さな数珠などは、描けません。

筆に含ませる水や墨の量、筆先の整え方、墨の濃さなどで、

線は、太くなったり、細くなったりするからです。

今回は、選んだ紙が中厚の麻紙で、

下絵が見えずらかったため、うまく描けませんでした。

特に、冠の部分は、下絵がほとんど見えなかったので

きちんと描かれていませんし、

円光の線は、強弱がついてしまい、安定していません。

反省点です。

細い線が安定して描けるようになると、

花鳥画で、細かい描写が上手にできるようになりますものね。

墨彩画で描く、蜂や蝶、トンボなどの虫の足や

お花の雄しべやめしべは

本当に細く、しかも一発勝負だから、神経を要するのです。

こうした仏画を日常的に描いていれば、

面相筆の扱いがうまくなることでしょう。

仏画を描こうと思った第四の理由

亡くなった友人や親せきの方々に想いを馳せ、

清らかな気持ちでご供養したいから。

仏画を描こうと思った第五の理由

「さわやか墨彩画教室」は、

もともと「桂颯の世界」祈りの書画集

というサイト名でした。

私が描く絵は、祈りの絵だからです。

描く人も、見る人も、すべてに幸あれ

という願いを込めているサイトだからです。

 

お坊様の描かれた仏画は、

私の写仏を通して、このHPを通して、

きっと、見てくださる方に、

功徳を与えてくれるはずです。

まとめ

今回は、仏画をテーマに

私の想うところを述べさせていただきました。

今回は、ここまでです。

最後まで、ご覧くださりありがとうございます。

次回、またお会いしましょう。