こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
さて、今回は、
【墨彩画の描き方 初級講座】として
ピンクの百合のハガキ絵の描き方(鉤勒法)について、
解説していきたいと思います。
今回の講座では、新たに「ぼかし」という技を使います。
絵具を塗った後、すぐに水を含ませた筆でなじませると
いう方法です。
さあ、どんな技法で、どんな効果が得られるのでしょうか?
これから、一緒に学んでいきましょう。
目次
今回使用する画材
小型スケッチ帳、2B鉛筆1本、練消しゴム、
画仙紙のハガキ、にじみ度★
(鉤勒法では、にじみの少ない画仙紙を使います。)
面相筆小1本、削用筆中1本または付立筆中1本
吉祥の顔彩(花百緑、群緑、青瓷、若草、鶯茶緑、胡粉、燕脂、栗皮茶)
あれば、チャコペーパー
ピンクの百合のスケッチ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2037-scaled.jpg)
スケッチ帳に、ハガキの枠線を入れ、
上の図を参考に、スケッチしてください。
今回から、少し難易度の高い百合の模写を
行っていきますよ。
1、ユリの花には、6枚の花びらがありますが、
まず、内側の大きな花びら3枚を描きます。
きれいに3等分すると、形が良くなります。
次に、外側の3枚を間に入れていきます。
2、花の中心部に、おしべ6本と、中央の柱頭を描き入れます。
お花を描く時は、常に、中心を意識して描いてくださいね。
3、茎を描き、次に葉っぱを描き入れます。
最初は、うまく描けないかもしれませんが、
何枚か描いているうちに、
次第に形がとれるようになってきますので、
大丈夫。
繰り返し、練習してくださいね。
画仙紙のハガキに転写する
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2038-300x225.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2039-300x225.jpg)
画仙紙のハガキの上に、
同じ大きさに切ったチャコペーパーを置き、
その上に、スケッチした絵を重ねます。
この時、ハガキとスケッチの枠線が一致するように
配置します。
スケッチの鉛筆線上を赤ボールペンでなぞります。
チャコペーパーが無ければ、
画仙紙のハガキに、鉛筆で薄く下絵を描いてもOKです。
失敗した箇所は、ねり消しゴムで消して、
描きなおすことができますが、
何度も描きなおしていると、紙が傷んでしまいますので、
注意してくださいね。
面相筆で線描き
転写した線上を、面相筆を用いて墨で線描きします。
彩色①
絵皿で、花白緑、青瓷、鶯茶緑、胡粉を混色し、
茎の部分を塗ります。
次に、花びらの中心部分に少しだけ、塗り、
水を含ませた削用筆(水筆)で、外側に向かってぼかします。
水が多すぎたり、筆をゆっくり動かしていると、
雄しべの部分まで色がにじんでしまうので、
すばやく塗っていきます。
下の画像は、わかりやすくするために、
別のはがきに描いたものです。
ぼかす場合は、色を塗って、すぐに水筆で暈します。
時間をおいてしまうと、以下の写真のように、
塗った部分と、水筆でぼかした部分が、分離してしまいますので、
気をつけましょう。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2058-300x225.jpg)
一度、きれいに筆を洗い、
絵皿の上で、青瓷、群緑、花百緑を混色し、
下の写真のように、表側の葉っぱをぬります。
次に、絵皿で、花百緑と鶯茶緑、胡粉を混色し、
葉っぱの裏側を塗ります。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2047-scaled.jpg)
彩色②
絵皿に、燕脂、胡粉を混色して、ピンク色を作ります。
重なっている部分の下の花びらに、
ピンクの色を塗り、すぐに水筆でぼかします。
他の花びらも同様に、下の写真を参考に、
ピンク色を塗ったら、すぐに水筆でぼかし、なじませます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2048-scaled.jpg)
下の写真のように、ぼかしていきます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2050-scaled.jpg)
彩色③
筆をきれいに洗い、
絵皿にとった胡粉を溶かしながら、
しっかり筆の中央部分まで入れていきます。
筆先を中心に向けて、胡粉を中心から外になじませるように
塗っていきます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2051-scaled.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2062-300x225.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2088-300x225.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2090-300x225.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_E2088-300x284.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_E2090-279x300.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2089-300x225.jpg)
筆先を、花の中心方向に向けて、
次に筆の腹を紙に押し付けるようにして、
胡粉を塗り、ピンク色の上から、なじませます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2051-1-scaled.jpg)
彩色④
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2052-scaled.jpg)
絵皿に、青瓷、群緑、墨を取り、混色します。
表側の葉っぱの中心部から外側に向けて塗り、
上の写真のように、水筆で外側に向けてなじませます。
彩色⑤
雄しべと柱頭は、
花白緑、若葉、鶯茶緑で塗り、
先端部分は、燕脂+栗皮茶を混色して、塗ります。
花びらに、薄い燕脂で斑点を入れ、
墨で、葉っぱに葉脈を入れます。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_2054-scaled.jpg)
雅印を押す
はい。出来上がり!
飾る
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_E2094.jpg)
今回は、簡易掛け軸にかざってみました。
額縁などに入れても素敵ですよ。
まとめ
今回は、
「墨彩画の描き方 初級講座」として、
ピンクの百合のハガキ絵を鉤勒法で描く方法について、
解説いたしました。
今回のポイントは、
1 スケッチ 模写の訓練で、百合の花びらを形よく描く
全ての花びらや雄しべは、中心から出ていることを意識して描くこと。
2 水筆でぼかす
の2点です。
また水筆の水分量が多すぎたり、筆が遅すぎると、
にじんでしまいます。
繰り返し、練習して、
自分なりの描き方をマスターしてくださいね。
今回は、ここまでです。
最後まで、ご覧くださりありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。