【墨彩画描き方 初級講座「ピンクの百合のハガキ絵」】鉤勒法による百合の描き方を初心者にもわかりやすく解説します。

 

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

さて、今回は、

【墨彩画の描き方 初級講座】として

ピンクの百合のハガキ絵の描き方(鉤勒法)について、

解説していきたいと思います。

今回の講座では、新たに「ぼかし」という技を使います。

絵具を塗った後、すぐに水を含ませた筆でなじませると

いう方法です。

さあ、どんな技法で、どんな効果が得られるのでしょうか?

これから、一緒に学んでいきましょう。

目次

今回使用する画材

小型スケッチ帳、2B鉛筆1本、練消しゴム、

画仙紙のハガキ、にじみ度★

(鉤勒法では、にじみの少ない画仙紙を使います。)

面相筆小1本、削用筆中1本または付立筆中1本

吉祥の顔彩(花百緑、群緑、青瓷、若草、鶯茶緑、胡粉、燕脂、栗皮茶)

あれば、チャコペーパー

 

ピンクの百合のスケッチ

スケッチ帳に、ハガキの枠線を入れ、

上の図を参考に、スケッチしてください。

今回から、少し難易度の高い百合の模写を

行っていきますよ。

 

1、ユリの花には、6枚の花びらがありますが、

まず、内側の大きな花びら3枚を描きます。

きれいに3等分すると、形が良くなります。

次に、外側の3枚を間に入れていきます。

 

2、花の中心部に、おしべ6本と、中央の柱頭を描き入れます。

お花を描く時は、常に、中心を意識して描いてくださいね。

 

3、茎を描き、次に葉っぱを描き入れます。

 

最初は、うまく描けないかもしれませんが、

何枚か描いているうちに、

次第に形がとれるようになってきますので、

大丈夫。

繰り返し、練習してくださいね。

 

画仙紙のハガキに転写する

画仙紙のハガキの上に、

同じ大きさに切ったチャコペーパーを置き、

その上に、スケッチした絵を重ねます。

 

この時、ハガキとスケッチの枠線が一致するように

配置します。

 

スケッチの鉛筆線上を赤ボールペンでなぞります。

 

チャコペーパーが無ければ、

画仙紙のハガキに、鉛筆で薄く下絵を描いてもOKです。

 

失敗した箇所は、ねり消しゴムで消して、

描きなおすことができますが、

何度も描きなおしていると、紙が傷んでしまいますので、

注意してくださいね。

 

面相筆で線描き

転写した線上を、面相筆を用いて墨で線描きします。

彩色①

絵皿で、花白緑、青瓷、鶯茶緑、胡粉を混色し、

茎の部分を塗ります。

次に、花びらの中心部分に少しだけ、塗り、

水を含ませた削用筆(水筆)で、外側に向かってぼかします。

水が多すぎたり、筆をゆっくり動かしていると、

雄しべの部分まで色がにじんでしまうので、

すばやく塗っていきます。

 

下の画像は、わかりやすくするために、

別のはがきに描いたものです。

ぼかす場合は、色を塗って、すぐに水筆で暈します。

時間をおいてしまうと、以下の写真のように、

塗った部分と、水筆でぼかした部分が、分離してしまいますので、

気をつけましょう。


 

一度、きれいに筆を洗い、

絵皿の上で、青瓷、群緑、花百緑を混色し、

下の写真のように、表側の葉っぱをぬります。

 

次に、絵皿で、花百緑と鶯茶緑、胡粉を混色し、

葉っぱの裏側を塗ります。

彩色②

絵皿に、燕脂、胡粉を混色して、ピンク色を作ります。

 

重なっている部分の下の花びらに、

ピンクの色を塗り、すぐに水筆でぼかします。

 

他の花びらも同様に、下の写真を参考に、

ピンク色を塗ったら、すぐに水筆でぼかし、なじませます。

下の写真のように、ぼかしていきます。

彩色③

筆をきれいに洗い、

絵皿にとった胡粉を溶かしながら、

しっかり筆の中央部分まで入れていきます。

 

筆先を中心に向けて、胡粉を中心から外になじませるように

塗っていきます。

筆先を、花の中心方向に向けて、

次に筆の腹を紙に押し付けるようにして、

胡粉を塗り、ピンク色の上から、なじませます。

彩色④

 

絵皿に、青瓷、群緑、墨を取り、混色します。

表側の葉っぱの中心部から外側に向けて塗り、

上の写真のように、水筆で外側に向けてなじませます。

 

彩色⑤

雄しべと柱頭は、

花白緑、若葉、鶯茶緑で塗り、

先端部分は、燕脂+栗皮茶を混色して、塗ります。

 

花びらに、薄い燕脂で斑点を入れ、

墨で、葉っぱに葉脈を入れます。

 

 

雅印を押す

 

はい。出来上がり!

飾る

今回は、簡易掛け軸にかざってみました。

額縁などに入れても素敵ですよ。

 

まとめ

今回は、

「墨彩画の描き方 初級講座」として、

ピンクの百合のハガキ絵を鉤勒法で描く方法について、

解説いたしました。

今回のポイントは、

1 スケッチ 模写の訓練で、百合の花びらを形よく描く

全ての花びらや雄しべは、中心から出ていることを意識して描くこと。

2 水筆でぼかす

の2点です。

 

また水筆の水分量が多すぎたり、筆が遅すぎると、

にじんでしまいます。

繰り返し、練習して、

自分なりの描き方をマスターしてくださいね。

 

今回は、ここまでです。

最後まで、ご覧くださりありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。