【墨彩画はじめの一歩】④顔彩の使い方をわかりやすく解説します!(動画付き)

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

今回は、
墨彩画を始めてみたいけど、
「そもそも顔彩って何?」
「顔彩の使い方がわからない」
という方のために、

「顔彩」や「顔彩の使い方」について、

かりやすく、解説していきたいと思います。

 

目次

顔彩とは

上の画像は、吉祥の顔彩18色です。

顔彩(がんさい)とは、

日本画で使われる同じ顔料に、

膠(にかわ)や水あめ、

アラビアゴムなどを加えて練り合わせ、

角皿につめた固形絵具のことです。

 

場所を取らず、手軽に使えるので、
ハガキ絵のような小さな作品を描くときや
屋外での写生をするときに、よく使われます。

 

顔彩の使い方

こちらは、吉祥の顔彩24色です。

顔彩は、水を含ませた筆で、

表面をなぞるだけで描くことができます。

 

顔彩を筆で取る場合、
色が混ざると角皿の絵具の色がわからなくなってしまうので、
新しい絵具を取る場合は、毎回、筆をきれいに洗って取ります。

まずは、顔彩の使い方動画をご覧ください。

そのあとに、動画の内容について、

詳しく解説していきたいと思います。

 

動画解説

動画で使っている画材

  画仙紙のハガキ にじみ度★

   にじみにくい紙を選びました。

  削用筆と面相筆

顔彩 吉祥の顔彩18色

 

顔彩の使い方

水を含ませた筆で、顔彩の表面を数回なぞると、

絵具が溶け出して、筆につくので、

そのまま画仙紙に塗ります。

 

絵具の色の濃度を見たい場合は、

一度、絵具を絵皿に取って、調整します。

 

筆に含まれる水分量によって、

色の濃度がかなり変わってくるからです。

 

色を濃く塗りたい場合は、

筆の水分量を減らすために、
筆洗いの端で、筆の水分をしっかり切るか、
布巾やペーパータオルなどで、軽く拭き取ってから、

顔彩を取り、画仙紙に塗ります。

 

顔彩の色は、

角皿の色と蓋の裏の色、実際に塗った色では、
少しづつ異なります。

とにかく、何度も試めして慣れることです。

ぼかし

また墨彩画では、ぼかして使うことが多いので、
一度塗った絵具を水筆でぼかす方法もお伝えしています。

 

水筆とは、きれいな水を含ませた筆のことで、

彩色筆や削用筆、付立筆などを用います。

 

使う紙の種類によっても、異なりますが、
色をぼかす際には、

色を塗ったすぐ後に、水筆でぼかします。

 

色を塗って、時間をおきすぎると、

水筆でぼかすことができません。

 

塗り絵方式

動画では、顔彩の使い方をわかりやすくするために、

塗り絵方式で、顔彩を塗っています。

 

単色と混色について

チューリップは、

単色(色を混ぜない)で、塗りました。

花びらは、ぼかし技法を使って、

同じ色の濃淡で、重なり部分をわかりやすくしています。

 

葉っぱの裏表は、

内側を花白緑、外側を青草で塗り分けました。

 

バラは、混色で塗りました。

顔彩を混色する場合は、必ず絵皿

にとって、色を調整をします。

バラの花びらは、胡粉と紅梅で混色しました。

花びらは、まず薄めの混色で全体に下塗りします。

 

次に花びらに立体感を出すために、
外側の花びらの影の部分は、

紅梅を水筆でぼかしながら、

下塗りの上を重ね塗りしていきます。

 

花びらの中心部分は、紅梅に少し燕脂を混色して、

水筆でぼかしながら塗ります。

 

葉っぱの下塗りは、

青草を絵皿にとって、薄く調整して全体に塗ります。

葉っぱの立体感を出すために、

絵皿の青草に本藍と緑青を混色して、

ぼかし塗りをしていきます。

 

顔彩の長所と欠点

顔彩の長所

顔彩は、水を含ませた筆でなぞるだけで、

すぐに描くことができるので、

とてもお手軽に使うことができます。

ハガキ絵などは、あっという間に描くことができます。

チューブ絵具のように、いちいち、

チューブから絵具を出さなくて良いので、楽ちんだからです。

 

顔彩の欠点

絵具の色を変えるたびに、

筆をきれいに洗う必要があります。

 

筆を洗わずに、次の絵具を取ると、

前の絵具が角皿の表面に付いて、色が濁り、

元の色がわからなくなってしまうからです。

 

色を変える度に、筆を洗うので、

色を混ぜるときなど、
もったいないなあと感じます。

 

顔彩と顔彩チューブの使い分け

上の画像は、世界堂で販売されていた顔彩絵具チューブです。

顔彩

角皿に入っている絵具の量は、少ないので、
ハガキ絵など、小さい絵を描くときや、

薄めに着色するスケッチなどに使います。

 

顔彩チューブ

顔彩と違って、手軽に混色できるので、
複雑な色合いを出したい場合には、

チューブ絵具の方が適しています。

 

また、ハガキ絵以上の大きな絵を描くときにも、
チューブ絵具の方がたっぷり絵具を使えて便利です。

 

このように、私は、

顔彩と顔彩チューブ絵具の両方を使いわけて

墨彩画を描いています。

詳しくは、こちらの講座をご覧ください。

【墨彩画の画材】顔彩の次は、顔彩チューブ絵具を揃えよう!

まとめ

今回は、【墨彩画はじめの一歩】

④「顔彩の使い方をわかりやすく解説します」

というテーマで、

 

顔彩について、

顔彩の使い方、
顔彩の長所と欠点、
顔彩と顔彩チューブの使い分け

などについて、
動画を交えて、詳しくお話ししました。

 

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。

 

こちらの講座も参考になります。

【墨彩画の画材】水彩絵具と顔彩の違いについて解説します。