【顔彩で描くお花の絵シリーズ】金木犀の「香りの正体」と「描き方」の両方を解説します。

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、

「金木犀の描き方」だけでなく、

「金木犀の香りの正体」についても解説するという

贅沢な内容でお届けします。

 

いやいや、

別に香りについてなんて、どうでもいいよ。

「描き方」さえわかればいいんだから

と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

しかし、ちょっと待ってください!!

 

この「さわやか墨彩画教室」では、
墨彩画の描き方だけではなく、
お花を見て楽しみ、描いて楽しむ方法

についても、お伝えしたいのです。

 

一つ一つのお花と向き合い、

その個性を知ることで、

お花に対する愛情が2倍にも3倍にも増加し、

また絵を描く楽しみも倍増するからです。

 

どうか、しばし、おつきあいくださいませ。

 

9月末頃になると、どこからともなく、

香りが漂ってくる金木犀(きんもくせい)。

 

まるで、

申し合わせたようにいっせいに開花して、

街中で懐かしい香りを漂わせ、
1週間くらいで散ってしまいます。

散った後の黄色の絨毯を見るのも、

楽しみの一つです。

 

お花は地味ですが、

その甘く豊かな香りが大好きで、

毎年楽しみにしているのです。

 

金木犀の香りをかぐと、必ず、

小学校の頃の運動会を思い出します。

調度、運動会の時期に開花していたんですね。

パブロフの条件反射みたいに
私は、このお花の香りをかぐと、運動会を思い出し、

運動会の出店で売られていた

色付きひよこを買ってきて、鶏にまで育てたこと、

しかも、ある日、食べられてしまったこと、

運動会のお昼は、家族みんなが来てくれて、
巻きずしを食べたこと、

かけっこが大の苦手だったこと、などが、
次々に連想されるという、
懐かしいお花なのです。

 

香りのあるお花って、いいですよね。。

お花の香りの良い代表的な植物といえば、

バラやジャスミンが有名ですね。

日本では、
沈丁花と、クチナシと、それから金木犀でしょうか。

タイのチェンマイに咲いていた

プルメリアの香りも素晴らしいものでした。

どの香りも、それぞれに大好きです。

 

香りには、

人を幸せにする力があるような気がします。

何故、人は、お花の良い香りをかぐと、
懐かしくなったり、癒されたり、するのでしょうか?

今回は、お花を描く前に、
香りの正体について、少しお話ししたいと思います。

目次

金木犀の香りの正体

 

金木犀やくちなしの花の香りの正体って何でしょうか?

実は、揮発性の芳香性化合物なんですね。

 

空気中に揮発して

遠くまで飛んでくるぐらいだから、

当然、分子量の小さい有機物質や無機物質と考えられます。

分析の結果、金木犀の香り成分は、
γデカラクトン、リナロール、

リナロールオキシド、イオノンなどと

報告されています。

 

そして、これらの芳香成分には、

自律神経やホルモンのバランスを整え、

身体の緊張をほぐしたり、

気分を落ち着かせたりさせる効果があると考えられるのです。

香りを嗅ぐと、懐かしい気持ちになる理由

香り成分は、

鼻に入り、鼻孔の奥にある嗅細胞の先端にある

におい分子受容体にキャッチされます。

キャッチされた情報は、電気信号となって、

大脳の嗅皮質に伝達されます。

脳内では、

これまでの経験や記憶などの情報と、

今入ってきた情報を照らし合わせて、

どのような匂いなのか認知し、

さまざまな感情を呼び起こすというわけです。

 

もう一つの面白情報

植物は、何故、

こうした香り成分を出しているのでしょうか?

植物は、動物のように自由に移動することができません。

 

なので、自己防衛や受粉のために、

自ら、さまざまな有機化合物を作って、

ケミカルコミュニケーションを行っているのです。

 

一般的には、香り成分は、

虫たちを誘引し、受粉をさせる目的を持ちます。

 

ところが、この金木犀の成分には、

虫を誘引する働きは無いどころか、

蝶の吸蜜行動を阻害するのだそうです。

何故でしょう? 面白いですねえ。

唯一、

ある種のアブだけが、この香り成分を好むらしいのです。

自然の行うことには、必ず、意味があります。

どうして、金木犀がこんなことをするのか、
私は、興味津々なのであります!

金木犀とは

モクセイ科 モクセイ属

中国南部が原産国で、

江戸時代に日本に伝わってきました。

金木犀は、
白いお花をさかせるギンモクセイの変種になります。

中国では、

白い花を咲かせる「ギンモクセイ」のことを、

「桂花」と呼ぶそうです。

嬉しいなあ。

桂颯の桂と同じですから。

 

和名の金木犀という名前の由来は、

樹皮が犀(サイ)の皮膚に似ていること、

金色の花を咲かせることから、

「金木犀」と呼ばれるようになったといわれています。

 

描き方動画のご紹介

グリーンパウゼのお庭に咲いている金木犀を

モデルにしました。

「描き方」は、とても簡単です。

あまりに簡単で、

葉っぱの色を何色で塗ったか、

忘れてしまいました。

恐らく、葉っぱは、古代緑青か、青瓷
影の部分は、墨との混色だと思います。

描き方のコツは、
お花を山吹で薄く下塗りした後、

ところどころ、朱で染め、

最後に、胡粉+鮮光黄で、

変化をつけることでしょうか。

まずは、動画をご覧くださいませ。

まとめ

今回は、金木犀の香り成分について、

お花を香りを嗅ぐと、

何故、さまざまな感情が呼び起こされるのか、

描き方のコツなどについて、解説しました。

いかがだったでしょう?

今回は、ここまでです。

最後まで、ご覧くださりありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。

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