こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
今回は、
「負のスパイラル」についてのお話です。
過酷な労働を強いられて、うつ病になったり、
自殺をしたりする気の毒な方のニュースが
ときどき報道されます。
そして、家族は、労災を認めてもらうために、
大変な労力を払って、会社と戦わなくてはならない。
痛ましい話です。
「何故、うつ病や自殺する前に、
会社を辞めなかったんだろう?」と、
多くの人は思うかもしれません。
しかし、そうした被害者の方は、
恐らく、負のスパイラルに陥って、
自分で、そこから抜け出せなくなっていたんだろうと
私は思います。
目次
私が持つ「負のスパイラル」のイメージ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/09/black-hole-3565665_1920.jpg)
私は、
負のスパイラルについて、
あらゆるものが、渦巻き状にブラックホールに
吸い込まれていく状態をイメージしています。
ブラックホールでは、きわめて強い重力のために、
光すら脱出できなくなります。
台風や竜巻を想像してみてください。
風は、中心に向かって、
速度やエネルギーをどんどん増していき、
中心では大変な破壊力を持つようになります。
負のスパイラルとは、
私にとって、このような強烈なイメージなのです。
負のスパイラルに陥るとは
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/09/black-hole-4092609_1920.jpg)
連日の過労やストレスで、疲れがたまってくると、
だんだん心まで病んできます。
こころとからだは一つ
このことは、「さわやか墨彩画教室」で
なんどもお伝えしてきていることですね。
体の疲れは、焦燥感となって、
焦りの気持ちを生み出し、いらだってくるようになります。
イライラ気分は、一層、
人をネガティブな気分に追い込みます。
攻撃的な人なら、人に八つ当たりをしたりして、
発散するかもしれません。
しかし、
うつ病になったり、自殺をするような人の多くは、
心優しくまじめな人がほとんどです。
「自分はダメな人間だ」とか、
「自分のせいで、悪い事態になった」とか、
「もっと自分が○○すれば、良かったんだ」とか、
どんどん自分を責めてしまうんですね。
ネガティブ感情というのは、
脳のエネルギーをかなり消費します。
脳は、体重の2%ほどしかありませんが、
一日に全身が消費するエネルギーの20%も
消費するといわれています。
計算をしたり、文章を読んだり、思考したりなど、
意識的に何かをしているときに脳が消費するエネルギーよりも、
何もしないでボーっとしている「アイドリング状態」の時の方が、
15倍もエネルギー消費が高いのだそうです。
これは、驚くべきことです。
アイドリングというのは、
エンジンをかけた状態のまま、停車していることです。
これは、人で言えば、何もしていないけど、
無意識にいろんなことを考えている状態と言えます。
つまり、
うつ状態に陥って、常に、
ネガティブ感情に襲われるようになると、
脳の消費がさらに激しくなるということです。
脳が消耗すると、思考することができなくなり、
さらに負の感情が止まらなくなってきます。
負の感情は、脳を消費させ、
体力をもさらに消費させていきます。
こうして、どんどん体と心は、
負のスパイラルに入りブラックホールに陥っていくのです。
ブラックホールに陥ってしまうと、
その、強い吸引力のために、
自分で抜け出せなくなってしまうんですね。
このことをぜひ、覚えておいてほしいと思います。
負のスパイラルに陥る危険性は、
身近に誰にでも起こりうるからです。
私が陥った負のスパイラル
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/09/black-hole-2483571_1920.jpg)
認知症の母を介護をしていた時のことです。
介護をしている人の4人に1人は、
うつ状態になるといわれています。
何故なら、介護は、
やりだしたらきりのない世界だからです。
夜中の徘徊が始まったとき、
私の疲労はピークに達しました。
日中は、家事や仕事をこなし、
夜は、徘徊する義母を見守るという生活で
、睡眠がほとんどとれなくなってしまったからです。
それなのに、母は、
デイサービスに行くことをひどく嫌がりました。
「どうして私をこんな目に会わせるの?」と
泣きながら訴えてくるのです。
私は、疲労困憊の状態の中で、
「私は自分が楽したいから、
母をデイサービスに入れようとしている。
母を苦しめてる。」と自分を責め続けたのです。
完全に負のスパイラルに陥っていたのです。
そんなとき、介護をしている友人から、
こんなことを言われました。
「お母さんはつらいかもしれない。
けど、あなたもつらい。これは、痛み分けなのよ」と。
その一言で、はっと目が覚めました。
つらいのは、母ばかりじゃなかった。
私は、そのアドバイスのおかげで、
冷静に自分の状況を判断することができるようになったのです。
負のスパイラルから脱することができました。
まず、自分の健康を取り戻さなくては、
家族全体が崩壊すると気がついたからです。
負のスパイラルに陥いらないためには
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/09/anglers-2718025_1920-1.jpg)
1、まずは、体の疲労を取ることです。
ゆっくり睡眠をとりましょう。
朝、すっきり目覚められるかどうかが、
バロメーターです。
いくら寝ても、疲れが取れないときは、
心の疲れを考えます。
2、心の疲れは、
情報過多とネガティブ感情によるものがほとんどなので、
それらを遮断するようにします。
テレビや携帯を遮断して、しばらく心を休ませます。
情報過多の現代。
私たちの脳は、ただ、流れ込んでくる情報の量に、
無意識のうちに、脳がエネルギー消費しているのです。
ネガティブ感情を遮断するには、瞑想が一番です。
とても効果的です。
瞑想については、また次の機会に、
お話しましょう。
今回は、ここまでです。