こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
今回は、
「負のスパイラル」についてのお話です。
過酷な労働を強いられて、うつ病になったり、
自殺をしたりする気の毒な方のニュースが
ときどき報道されます。
そして、家族は、労災を認めてもらうために、
大変な労力を払って、会社と戦わなくてはならない。
痛ましい話です。
「何故、うつ病や自殺する前に、
会社を辞めなかったんだろう?」と、
多くの人は思うかもしれません。
しかし、そうした被害者の方は、
恐らく、負のスパイラルに陥って、
自分で、そこから抜け出せなくなっていたんだろうと
私は思います。
目次
私が持つ「負のスパイラル」のイメージ
私は、
負のスパイラルについて、
あらゆるものが、渦巻き状にブラックホールに
吸い込まれていく状態をイメージしています。
ブラックホールでは、きわめて強い重力のために、
光すら脱出できなくなります。
台風や竜巻を想像してみてください。
風は、中心に向かって、
速度やエネルギーをどんどん増していき、
中心では大変な破壊力を持つようになります。
負のスパイラルとは、
私にとって、このような強烈なイメージなのです。
負のスパイラルに陥るとは
連日の過労やストレスで、疲れがたまってくると、
だんだん心まで病んできます。
こころとからだは一つ
このことは、「さわやか墨彩画教室」で
なんどもお伝えしてきていることですね。
体の疲れは、焦燥感となって、
焦りの気持ちを生み出し、いらだってくるようになります。
イライラ気分は、一層、
人をネガティブな気分に追い込みます。
攻撃的な人なら、人に八つ当たりをしたりして、
発散するかもしれません。
しかし、
うつ病になったり、自殺をするような人の多くは、
心優しくまじめな人がほとんどです。
「自分はダメな人間だ」とか、
「自分のせいで、悪い事態になった」とか、
「もっと自分が○○すれば、良かったんだ」とか、
どんどん自分を責めてしまうんですね。
ネガティブ感情というのは、
脳のエネルギーをかなり消費します。
脳は、体重の2%ほどしかありませんが、
一日に全身が消費するエネルギーの20%も
消費するといわれています。
計算をしたり、文章を読んだり、思考したりなど、
意識的に何かをしているときに脳が消費するエネルギーよりも、
何もしないでボーっとしている「アイドリング状態」の時の方が、
15倍もエネルギー消費が高いのだそうです。
これは、驚くべきことです。
アイドリングというのは、
エンジンをかけた状態のまま、停車していることです。
これは、人で言えば、何もしていないけど、
無意識にいろんなことを考えている状態と言えます。
つまり、
うつ状態に陥って、常に、
ネガティブ感情に襲われるようになると、
脳の消費がさらに激しくなるということです。
脳が消耗すると、思考することができなくなり、
さらに負の感情が止まらなくなってきます。
負の感情は、脳を消費させ、
体力をもさらに消費させていきます。
こうして、どんどん体と心は、
負のスパイラルに入りブラックホールに陥っていくのです。
ブラックホールに陥ってしまうと、
その、強い吸引力のために、
自分で抜け出せなくなってしまうんですね。
このことをぜひ、覚えておいてほしいと思います。
負のスパイラルに陥る危険性は、
身近に誰にでも起こりうるからです。
私が陥った負のスパイラル
認知症の母を介護をしていた時のことです。
介護をしている人の4人に1人は、
うつ状態になるといわれています。
何故なら、介護は、
やりだしたらきりのない世界だからです。
夜中の徘徊が始まったとき、
私の疲労はピークに達しました。
日中は、家事や仕事をこなし、
夜は、徘徊する義母を見守るという生活で
、睡眠がほとんどとれなくなってしまったからです。
それなのに、母は、
デイサービスに行くことをひどく嫌がりました。
「どうして私をこんな目に会わせるの?」と
泣きながら訴えてくるのです。
私は、疲労困憊の状態の中で、
「私は自分が楽したいから、
母をデイサービスに入れようとしている。
母を苦しめてる。」と自分を責め続けたのです。
完全に負のスパイラルに陥っていたのです。
そんなとき、介護をしている友人から、
こんなことを言われました。
「お母さんはつらいかもしれない。
けど、あなたもつらい。これは、痛み分けなのよ」と。
その一言で、はっと目が覚めました。
つらいのは、母ばかりじゃなかった。
私は、そのアドバイスのおかげで、
冷静に自分の状況を判断することができるようになったのです。
負のスパイラルから脱することができました。
まず、自分の健康を取り戻さなくては、
家族全体が崩壊すると気がついたからです。
負のスパイラルに陥いらないためには
1、まずは、体の疲労を取ることです。
ゆっくり睡眠をとりましょう。
朝、すっきり目覚められるかどうかが、
バロメーターです。
いくら寝ても、疲れが取れないときは、
心の疲れを考えます。
2、心の疲れは、
情報過多とネガティブ感情によるものがほとんどなので、
それらを遮断するようにします。
テレビや携帯を遮断して、しばらく心を休ませます。
情報過多の現代。
私たちの脳は、ただ、流れ込んでくる情報の量に、
無意識のうちに、脳がエネルギー消費しているのです。
ネガティブ感情を遮断するには、瞑想が一番です。
とても効果的です。
瞑想については、また次の機会に、
お話しましょう。
今回は、ここまでです。