[墨彩画の描き方 初級講座 椿のハガキ絵②] 付立筆1本で描く

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、

「墨彩画の描き方 初級講座 椿のハガキ絵②」付立筆1本で描く

というテーマで、「初級講座 椿のハガキ絵①」とは

異なる描法で椿を描いていきます。

前回、お伝えした描き方は、
鉤勒法(こうろくほう)という描き方で、
スケッチ→転写→墨による線描き→彩色という流れで、

椿を描きましたが、

今回の描き方は、没骨法と鉤勒法の両方を使い、

下絵なしで、いきなりハガキに描きます。

没骨法と鉤勒法については 以下のサイトをご覧ください。

椿を鉤勒法と没骨法の二つの描法で描いてみました

しかも、
付立筆1本だけで、線描きと彩色の両方を行います。

 

今回の講座を最後までお読みいただければ、

筆のお話①で、お伝えしたように、

付立筆の表現の幅の広さを実感していただけると思います。

付立筆については、以下のサイトをご覧ください。

「筆のお話」第1回  筆の各部分の名前、付立筆、面相筆、彩色筆について解説します。

また、鉤勒法と没骨法の両方で描くというのは、
お花の部分を、鉤勒法で
葉の部分は没骨法で描くというものです。

一般的な墨彩画では、椿を描く時、

お花も葉も没骨法で描かれることが多いのですが、

初級の間は、なかなか大変です。

没骨法は、筆の技術を必要とするからです。

なので、
今回は、没骨法で、葉の部分だけ学習していきましょう。

 

それから、下絵なしで、ハガキに描いていきますが、

ハガキで何枚も失敗するともったいないので、

習字用の紙などで、十分練習をしてからハガキに描きましょう。

また、今回のように没骨法で描く場合、

画仙紙のハガキは、ある程度、にじみのある紙の方が、

描きやすいと思います。

目次

没骨法による椿の葉の描き方

緑色の絵具であれば、青草、群緑、緑青など、

なんでも良いので、混色して、好きな色に調整してください。

動画では、黄草と群緑をつかいました。
色を完全に混ぜてしまわず、筆の中で変化をつけても

面白い表現ができると思います。
いろいろ試してみましょう。
筆先には、墨を少しつけて塗ると、きれいなグラデーションが描けます。

但し、必ず、筆先は割れないように、まっすぐに整えておきましょう。
筆先が割れると、まとまりにくくなります。

椿の花を線描きする

付立筆の穂先に、墨に胡粉を混ぜたものをつけます。

穂先をできるだけ、細くとがらせておかないと、

太い線になってしまいますので、ご注意ください。

まず、花芯を描き、その周囲の花びらを順に描いていきます。

おおざっぱでかまいません。
大体の形をつかんで描いていきましょう。

没骨法で葉を描き入れる

先ほど、練習した葉っぱを描き入れ、

次に墨で、葉の中央に葉脈の線を入れます。

花びらを彩色する

上朱と燕脂を混色して、花びらの一部を塗ります。

茎は、栗皮茶と墨を混色して、薄く塗っていきます。
このとき、筆の先を手で割って、塗ると枝らしくなります。

残りの花びらの彩色

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赤く塗った部分以外の花びらに
胡粉を塗ります。(ハガキが白い場合は、特に塗らなくてもOK)

乾いたら、花びらを彩色したときに使った赤色で、

花びらの模様の線を入れます。
続いて、薄めた赤色で、さらに線を入れて仕上げます。

椿の花が豪華に見えてきましたね。

雅印を押す

以上で、できあがりです。

まとめ

今回は、

「墨彩画の描き方 初級講座 椿のハガキ絵②」付立筆1本で描く

というテーマで、付立筆の多彩な表現能力や

没骨法による椿の葉の描き方、

また、椿のハガキ絵については、花を鉤勒法で、

葉を没骨法で描く方法をお伝えしました。

同じ椿の描き方でも、鉤勒法だけで描くハガキ絵とは、

全く異なる絵になりますね。

下絵なしで、いきなりハガキに描くのは、

勇気がいるし、少し難しかったかもしれませんね。

でも、この描き方をマスターすると、

下絵を描かずに、いろんな椿を自由に描けるようになりますよ。

さわやか墨彩画講座では、これからも、鉤勒法や没骨法を使った

さまざまなお花の描き方をお伝えしていきますので、

楽しみにしていてくださいね。

今回はここまでです。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

次回、またお会いしましょう。