【顔彩で描く花の絵シリーズ】大菊の描き方①「大菊の種類」と「スケッチから骨描きまで」を解説します。

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

 

さて、今回は、

前回ご紹介した「高幡不動尊菊祭り」で

購入した「大菊」の描き方をお届けしたいと思います。

【墨彩画の参考資料】高幡不動尊の菊祭りを見に行ってきました!

大菊は、花びらがたくさんあって描くのが大変なので、

今回と次回の2回に分けて、ご紹介していきますね。

 

まずは、いつものように、菊について解説です。

 

目次

菊とは

キク科 キク属

菊は、原産地 中国から日本に伝わったといわれています。

 

菊には、さまざまな種類あり、
観賞用としてだけでなく、

長寿の花として食用菊としても栽培されています。

 

菊は、種類によって見頃の時期が異なりますが、
最も多く栽培されている秋菊は、

10月~11月が見頃とされています。

 

菊の種類

菊には、

日本で作られた「和菊」と

欧米で作られた「洋菊」の2種類があります。

 

「和菊」の種類

古典菊、大菊、中菊、小菊などがあります。

今回、モデルにしたのは、「大菊」ですね。

 

古典菊は、

江戸時代に各地域独特の発展を遂げた菊の種類で、
嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊、

美濃菊、奥州菊などがあります。

 

「大菊」は、花の直径が18cm以上のもので、
花の形によって、

「厚物」「厚走り」「大掴み」「管物」

「一文字」などの種類があります。

厚物(あつもの)

花びらの先端が中心に向かって盛り上がっているもの。

厚走り(あつばしり)

厚物に似た形ですが、外側だけが細長く垂れ下がったもの。

 

大掴み(おおつかみ) 

花の上部が両手をつかんだような形をしていて、

外側の花びらは垂れ下がっている。

一文字

一重咲きで、皇室の紋にもなっていることから、

御紋章菊とも呼ばれます。

管物(くだもの)

管状の花びらが花火のように放射線状に広がっているもの。

 

管物は、

管の大きさによって、「太管」「間管」「細管」に分けられます。

 

今回のモデルは、「大菊」の中の「太管」という種類です。

 

花びらは、筒状になっています。

調べてみたら、

本当に花びらは、筒状になっていました。
中が空洞になっているんですね。

 

 

では、いよいよ大菊の描き方について解説いたします。

スケッチの方法について

 

いつもだったら、お花を見ながら写生を行うのですが、

今回は、花びらがとても多いので、

途中でこんがらがってしまいそうです。

 

そこで、トレーシングペーパーを使うことにしました。

 

1、お花の写真をアップで撮影し、A4で印刷します。

2、印刷したお花の写真の上に、トレーシングペーパーを置き、

鉛筆で、わかる範囲のアウトラインを写しとります。

3、細かい部分は、印刷した花を見ながら描き足します。

白麻紙に転写

1、ドーサ引の白麻紙を色紙大にカットします。

2、白麻紙の上に、色紙を置いて、

鉛筆で薄く記しをつけます。

3、周囲1、5cmののりしろを取って、

カッターナイフでカットします。

4、ニヤ板に、白麻紙をテープで貼ります。

5、白麻紙の上に、チャコペーパーを置き、
その上に、先のトレーシングペーパーを置いて、

上から赤ボールペンでなぞって、転写します。

*花びらの数が多いので、赤い色で、

色分けして、写し漏れを防ぎます。

 

墨で骨描き

茎と葉っぱは、濃い墨で描きますが、
たくさんの花びらは、墨+胡粉で骨描きします。

 

背景塗り


白い花びらが、浮き立つように、

背景は、黄土+栗皮茶+墨で、塗ります。

今回は、ここまでです。

次回は、下塗り作業から解説しますね。

描き方動画

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まとめ

今回は、大菊の種類についての解説

および、
スケッチから背景塗りまでの描き方について、
ご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

トレーシングペーパーを使うと、

かなり楽に写生できますよね。

 

昔の人は、お花を見ながら、

根気よく写生していったのだと思いますが、

私たち現代人は、
文明の利器を大いに活用していきましょう。

さて、今回は、ここまでです。

次回は、下塗りから仕上げまでをお届けしますね。

またお会いしましょう。