【墨彩画の参考資料】小原古邨を学ぶ

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、花鳥画の木版画家、小原古邨について、

お話したいと思います。

動物や植物を描いた絵画を花鳥画と言いますが、

古邨は、木版画の中で、

鳥や動物たちを、実に生き生きと愛らしく表現しています。

古邨の木版画は、日本国内よりも、

海外向けに販売されていたので、

日本では、あまり知られていないのかもしれません。

しかし、古邨の作品を初めて見た時、

その構図の素晴らしさに、驚きました。

まずは、その生い立ちから見ていきましょう。

目次

小原古邨について

明治10年、石川県金沢市に生まれました。

若い頃は、花鳥画を得意とする日本画家 鈴木華邨に

学んだと伝えられています。

最初から、木版画を制作していたわけではなく、

出発点は日本画でした。

地方の展覧会で出品し受賞歴もあったものの、

それほど目立つ存在ではなかったようです。

そこで、新たな活路を模索し、才能を開花させたのが、

木版画だったのです。

花鳥画の木版画は、文化が異なる外国人にもわかりやすいので、

海外で人気を得たと思われます。

そのため、多くの作品が、海外に渡りましたが、

そのおかげで、著作権フリーの作品画像が、数多く得られました。

では、小原古邨の作品をご覧頂きましょう。

作品集

「ひよこ」

ミミズを取り合ってるひよこが可愛いですね。

 

「樹雪の烏」

この画像ではわかりませんが、

実際の木版画を見ると、

雪の積もった部分がわずかに盛り上がっているのだそうです。

これは、「きめだし」と呼ばれる立体感を出すための技法。

 

「四十雀と山葡萄」

私の持っている画集では、

この紅葉の色がもっと鮮やかで美しい。

木版画は、同じ版木で何度も刷られているので、

色が変化するのかもしれませんね。

 

「桜に孔雀」

孔雀の羽のなんと美しいこと。

「柘榴に鸚鵡」

真っ黒な背景に、真っ白な羽の鸚鵡。

この作品は、国際版画展で高い人気を得ました。

「西伊豆の帆掛け舟」

遠くに聳える富士山が美しい。

「猫と提灯」

ネズミを捕まえる猫の動きが生き生きとしています。

「雪に真鴨」

雪が舞う厳しい寒さのなかでも、

生きるために強く羽ばたく鴨たち。

「鷲」

古邨の描く鳥たちは、どれも見事。

小原古邨に学ぶこと

木版画の中で描かれる動物たちの姿や表情が

生き生きしています。

特に、雨風や雪などの厳しい自然の中で

逞しく生きる鳥たちの姿には、心打たれます。

そして、そうした鳥たちが、

画面の中で、ピタッと構図にハマってる。

私が一番、学びたいことです。