こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
さて、今回は、花鳥画の木版画家、小原古邨について、
お話したいと思います。
動物や植物を描いた絵画を花鳥画と言いますが、
古邨は、木版画の中で、
鳥や動物たちを、実に生き生きと愛らしく表現しています。
古邨の木版画は、日本国内よりも、
海外向けに販売されていたので、
日本では、あまり知られていないのかもしれません。
しかし、古邨の作品を初めて見た時、
その構図の素晴らしさに、驚きました。
まずは、その生い立ちから見ていきましょう。
目次
小原古邨について
明治10年、石川県金沢市に生まれました。
若い頃は、花鳥画を得意とする日本画家 鈴木華邨に
学んだと伝えられています。
最初から、木版画を制作していたわけではなく、
出発点は日本画でした。
地方の展覧会で出品し受賞歴もあったものの、
それほど目立つ存在ではなかったようです。
そこで、新たな活路を模索し、才能を開花させたのが、
木版画だったのです。
花鳥画の木版画は、文化が異なる外国人にもわかりやすいので、
海外で人気を得たと思われます。
そのため、多くの作品が、海外に渡りましたが、
そのおかげで、著作権フリーの作品画像が、数多く得られました。
では、小原古邨の作品をご覧頂きましょう。
作品集
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/6a745ce5051ff4a32b55cbed1bc05825-scaled.jpg)
「ひよこ」
ミミズを取り合ってるひよこが可愛いですね。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/e782da1e358c2ba4b90e65b987984276-scaled.jpg)
「樹雪の烏」
この画像ではわかりませんが、
実際の木版画を見ると、
雪の積もった部分がわずかに盛り上がっているのだそうです。
これは、「きめだし」と呼ばれる立体感を出すための技法。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/0fc3636262a2d312c3ffb0bc4b99c16f-scaled.jpg)
「四十雀と山葡萄」
私の持っている画集では、
この紅葉の色がもっと鮮やかで美しい。
木版画は、同じ版木で何度も刷られているので、
色が変化するのかもしれませんね。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/5dfd042539cf9db3f5fc3f3e71076170-scaled.jpg)
「桜に孔雀」
孔雀の羽のなんと美しいこと。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/c34eb05f6b07e34befcc1901e3423346-scaled.jpg)
「柘榴に鸚鵡」
真っ黒な背景に、真っ白な羽の鸚鵡。
この作品は、国際版画展で高い人気を得ました。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/9ee4bef90b11ca2fbbf3dee2d54f328d-scaled.jpg)
「西伊豆の帆掛け舟」
遠くに聳える富士山が美しい。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/c25817264b9507605e0d4a38feb8ff5c-scaled.jpg)
「猫と提灯」
ネズミを捕まえる猫の動きが生き生きとしています。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/b4b027cb4a3821cd324d3fd3370dffb2-scaled.jpg)
「雪に真鴨」
雪が舞う厳しい寒さのなかでも、
生きるために強く羽ばたく鴨たち。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/05/9e9f17ad95125cc1cbf1952ec15db5bf-scaled.jpg)
「鷲」
古邨の描く鳥たちは、どれも見事。
小原古邨に学ぶこと
木版画の中で描かれる動物たちの姿や表情が
生き生きしています。
特に、雨風や雪などの厳しい自然の中で
逞しく生きる鳥たちの姿には、心打たれます。
そして、そうした鳥たちが、
画面の中で、ピタッと構図にハマってる。
私が一番、学びたいことです。