こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
さて、今回は、
大菊を真上から見て描いた作品をご紹介します。
前回は、大菊を横から見た構図で描きましたね。
真上から見た絵と横から見た絵では、
随分、印象が異なりますね。
モデルになってくれたお花は、
前回と同じ「高幡不動尊菊祭り」で購入した
この白い大菊です。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/149F4C04-C2E4-4AD1-83B3-03A8117C2759-scaled.jpeg)
お花が傷まないように
そのまま手で持って、自宅まで帰ったのですが、
電車の中で、ずっと、お花を真上から眺めていました。
美しく配列された花びらを見ていると、
なんとも気持ちよくて、いつまで見飽きなかったのです。
大菊を上から眺めると、まるで
美しい幾何学模様を見ているような気がしてきませんか?
私は、自然療法を長年勉強してきて、
植物の持つ不思議な能力に魅了され続けてきましたが、
絵を描くようになって、今度は、
植物のもつ美しいフォルムに魅了されるようになりました。
植物をじっくり眺めれば眺めるほど、
全く無駄がなく、
合理的に整えられた姿に感動してしまうのです。
花びらも葉っぱも、太陽の光がまんべんなく、
いきわたるように、互い違いに配置されています。
どの植物も、生きるために、整然と、
計算されているような気がしてならなかったのですが、
最近、そんな私の考えは、
間違っていなかったことがわかりました。
なんと、植物は、
ある数列に従っていることがわかったからです。
その数列の名は、フィボナッチ数列といいます。
このことを教えてくれたのは、
稲垣栄洋著「面白くて眠れなくなる植物学」という本です。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/236306C7-7F12-4A67-AFCD-A5B3FDE6B1C7.jpeg)
偶然、図書館で見つけたのですが、
本当に、面白くて興奮して読んでしまいました。
日頃、私が感じていたいろんな疑問に
答えてくれる内容だったからです。
今回は、
この本の中で紹介されている不思議な数列、
「フィボナッチ数列」について解説しようと思います。
目次
フィボナッチ数列とは、
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/flower-g7bc311bcf_1920.jpg)
このひまわりの美しい花芯部も、
フィボナッチ数列に従っているんですって。
フィボナッチ数列とは、
「1、1、2、3、5、8、13、21・・・・・・」
つまり、1+1=2、 1+2=3 、2+3=5 、3+5=8 、5+8=13
8+13=21 と並んでいるのです。
例えば、
花びらの数は、フィボナッチ数列に従っています。
花びらの枚数
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/japan-g1868ba9a6_1920-300x200.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/sakura-g1f082f739_1920-300x225.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/marguerite-g816e6e50e_1920-300x170.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_6300-300x200.jpg)
ゆり3枚、桜5枚、コスモス8枚、
マリーゴールド13枚、マーガレット21枚、
デージー34枚、ガーベラ55枚。
3、5、8、13、21、34、55、・・・・
百合は、花びらが6枚のように見えますが、
実は、3枚で、
花びらのように見える残りの3枚はガクなのです。
つわぶきの花びらは、13枚でした。
この大菊の花びらは、何枚でしょう。
まだきれいに咲いているので、数えないでおきましょう。
葉っぱの付き方
また、植物の茎につく葉の位置も、
フィボナッチ数列に従っているというのです。
葉っぱの付き方は、「葉序」と呼ばれているのですが、
どのようにずれるかというのは、
植物の種類によって決まっています。
360度の1/2の180度づつずれるものや、
1/3の120度づつずれるものがあります。
1/2づつずれる場合は、
葉っぱを下から2枚数えると、
1周回って元の位置に戻ってくることになりますし、
1/3づつずれる場合は、
葉っぱを下から3枚数えると、
1周回って元の位置に戻ってくるということです。
また2/5の144度づつずれるものがあります。
これは、下から葉っぱを数えると、5枚数えたときに、
2周回って元の位置に戻ってくるということなのだそうです。
![Donguri](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/2924C543-A4D4-48C5-8F4C-CD0CD86165E1-300x300.jpeg)
ちょっと難しくなってきたね。
この大菊の葉っぱは、
下から5枚数えたときに、元に戻ったので、
2/5づつずれていることになりますね。
他にも、3/8の135度ずれるものもあります
そうなると、
1/2 1/3、2/5、3/8、5/13、・・・・・。
実は、この分数の分母と分子は、
それぞれがフィボナッチ数列で並んでいるということになります。
![Donguri](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/2924C543-A4D4-48C5-8F4C-CD0CD86165E1-300x300.jpeg)
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
植物の葉は、
フィボナッチ数列に従って配列されると、
すべての葉が重なり合わずに効率よく光をうけられ、
茎の強度のバランスを均一になるのだそうです。
黄金比とは
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/level-g1c2e4595a_1920.jpg)
フィボナッチ数列の数字を、一つ前の数字で割っていくと、
つまり、3÷2=1.5、 5÷3=1.67
8÷5=1.6 ・・・・
このようにして、割っていくと、
黄金比である1.618に近づいてきます。
黄金比は、最も美しいとされる数学の比率なのです。
植物が、フィボナッチ数列に従っているというのは、
本当に、不思議で仕方ありません。
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
作品紹介 白い大菊
![白い大菊](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/06/98420318-1EBC-43E6-AD1B-92D6474CF022.jpeg)
日本画や墨彩画で、
お花を真上から見て描くことはあまりないように思いますが、
私は、どうしても
真上から見たこの美しい花びらの配列を表現したくて、
この作品を描きました。
前回の失敗を改善し、
今回の作品では、
背景は、最初から色を濃くして塗りました。
描き方は、前回とほぼ同様に描いていますので、
そちらを参考にしてください。
背景が濃くなったことで、
花びらの白い色がより際立ったように思いませんか?
![Donguri](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/2924C543-A4D4-48C5-8F4C-CD0CD86165E1-300x300.jpeg)
失敗は成功のもと
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
まとめ
今回は、
真上から見た白い大菊の作品をご紹介し、
植物に潜む不思議な数列、
フィボナッチ数列について解説しました。
フィボナッチ数列、本当に不思議で、
私は、ますます、
自然の魅力にはまってしまいました。
みなさんは、いかがでしたか?
今回は、ここまでです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
また次回お会いしましょう。