【墨彩画の上達法】画力と集中力がアップする写生法について解説します。

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの

桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、

画力と集中力がぐんとアップする

写生法についてご紹介いたします。

 

 

墨彩画を上達させるためには、

模写
写生
名画の鑑賞
画材についての知識

の4つが必要です。

 

どれが一番重要かということではなくて、
どれも重要で、平行して、

一緒に学んでいく必要があるんですね。

これまで、「さわやか墨彩画教室」では、

模写、名画の観賞、画材ついて、

解説してきました。

なので今回は、

効果的な「写生」の方法について、
詳しく、お話していきましょう。

 

墨彩画では、

お花を描くことが多いので、
花弁の枚数やつき方、葉っぱの形など、
「写生」をしながら、

お花の特徴をつかんでいくことは大切です。

けど、
「写生」と聞くと、

「習ったことないから、私には無理」
「屋外で写生なんて、恥ずかしい」
「うまく描く自信がない」、
「長い間、座っていられない」などなど、
苦手意識をお持ちの方、

多いんじゃないでしょうか?

実は、私も、かなり長い間、
苦手意識をもっていました。

 

バラや牡丹の花を描いていると、
どの花弁を描いているのか、

こんがらがってくるし、
全体のバランスが悪くなってくるし、
長時間、座っていると目が痛くなったり、

飽きてきたりするし。

 

美大生なら、何時間デッサンしても

平気かもしれないけど、
私は、体力ないし、歳だからなあ。

しかし、

ご安心ください!!

そんな私が、見事、苦手意識を克服した
素晴らしい方法を、今回伝授いたしますから。

まずは、
私たちの意識の中にある「写生」という概念を
すっきり整理させましょう!

目次

墨彩画の上達法:写生の分類について

「写生」を次の3つの段階に分類します。

クロッキー
スケッチ
デッサン

人によって説明はまちまちなので、
明確な定義はないようですが、
私は、以下のように、捉えています。墨彩画の上達法:クロッキーについて

墨彩画の上達法:クロッキーについて

聞き慣れない言葉ですが、

クロッキーとは、

速写ともいわれていて、
数分で大まかに描く方法のことです。

少々、線がぶれても気にせず、
アウトラインのみを描きます。

一般的には、人物や動物など
動きのあるものを素早く簡潔に描くために
行われる方法です。

 

墨彩画の上達法:スケッチとは

小学生や中学生の頃、

屋外に出て、スケッチに出たことはないでしょうか?

風景や花や人物などを、
ありのまま、見たままに写して描くことで、
私たちがなんとなく感じている

「写生」という意味ですね。

墨彩画の上達法:デッサンとは

美大生が、石膏像や人物を見ながら、

10時間以上かけて
熱心に描いていますよね。あれです。

 

対象物をできるだけ正確に、

遠近法や陰影なども駆使して、

緻密に描きこむやり方ですね。

つまり、
描く時間と緻密度から言うと、

クロッキー<スケッチ<デッサン

の順で、高くなります。

 

墨彩画の上達法:墨彩画の写生ではデッサンの必要はない?

墨彩画の下絵を作るための写生であるならば、
デッサンまでの細かさは必要ではなく、
スケッチ程度の描写で良いような気がします。

ここ大事!

 

私たちは、対象物をすべて
完璧に描こうとするから、
苦手意識が出てくるのです。

対象物の形状さえ、しっかり決まっていれば、
細かに描きこまなくても、彩色することで、
豊かに表現できるので、

まずは、気楽に写生していきましょう。

とはいえ、
デッサンほどではないにしても、
ある程度、正確に描く必要はあります。

 

あいまいにしたまま、絵にすると、
後で苦労するからです(←私の経験)

あれ、この部分は、花びらだっけ、
葉っぱの陰だっけ
というように、わからなくなって、

途方にくれます。

 

墨彩画の上達法:効果的な写生方法

まずは、時間を限ったクロッキー方式で
写生します。

準備するものは、

スケッチ帳と鉛筆と

練り消しゴムとタイマー

私は、さまざまなサイズのマルマンのクロッキー帳と
鉛筆B~2B、木炭、キッチン用タイマーを

使っています。

人の集中力は

20分程度と言われています。
これ以上続けると、

作業効率が落ちるのです。

 

なので、
最初は、10分と時間を決めて、
おおまかに、

アウトラインをつかむつもりで、
集中して描きます。

 

2年前に描いたクロッキー(恥ずかしい…..)

線がずれて汚くなっても、

形がいびつになっても、

全然大丈夫です。

自分が一番、心を動かされた部分、
一番描きたい部分に集中して、
10分間、ただただ鉛筆を走らせます。

全部描ききれなくても大丈夫。

お花だけ、つぼみだけ、葉っぱだけでも、
良いのです。

墨彩画の上達法:クロッキー写生には坐禅効果がある?

余談ですが、

実は、この写生法には、
坐禅や瞑想と同じほど、
心の安定をもたらす効果があるんです。

通常、
私たちの頭の中は、雑念でいっぱいになっています。

特に、うつ状態の人は、
負の雑念が常にぐるぐる回って飽和状態なので、
精神が著しく、疲労してしまっているんですね。

 

けれど、10分でも、

写生することに集中すると、
思考が遮断され、

雑念から解放され、

心がリセットされるというわけです。

 

忙しく生活していても、
どこかで、10分~30分時間を見つけて、
お花と対話しながら、
さらさらっと写生すると、

素敵な癒し時間、

心のリセットになると思いませんか?

そして、

毎日10分×3枚ならば、
1週間後には、21枚。
かなり画力がアップしているはずです。

クロッキーに飽きてきたら、

あるいは、満足したら、
次の段階のスケッチに進みます。

墨彩画の上達法:クロッキーの後はスケッチ

スケッチで、
どこまで正確に描きこむかは、
自分が描きたい絵の内容次第です。

例えば、
ユリの花の絵を描こうと思っているなら、
ネットなどで、いろんな百合の絵を見て
その中から、特に自分が共感する絵を集め、
イメージしていきましょう。

描きたい絵のイメージができると、
どの部分をどこまで正確に描く必要があるのか、
次第に見えてきます。

イメージが固まってきたら、
今度は、絵にするつもりで、丁寧に写生します。

今度は、30分程度にタイマーをセットして
集中して、写生します。

30分で描き切れなかったら、
5分休んで、また30分集中して
続きを写生するというやり方です。

このやり方で写生すると、
時間の使い方が、とてもうまくなります。

さくさくと写生しているうちに、

3か月後、半年後に、

画力がアップ、集中力がアップしている自分に

驚くことでしょう。

まとめ

木炭で、初めて猫を描いたときのもの。

5分クロッキーです。

 

今回は、集中力を高める写生の方法について、
解説いたしました。

いかがだったでしょうか?

「冷暖自知」
とにかく、やってみてください。

楽しみながら、画力がアップしていきますよ。

今回はここまでです。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

では、次回またお会いしましょう。