こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯です。
今回は、
鉤勒法による、コスモスの描き方(色紙サイズ)を
解説いたします。
前回は、ハガキ絵サイズのコスモスで、
鉤勒法と没骨法の2種類の描き方を
解説させていただきました。
今回は、描き方だけでなく、
コスモスのお花の構造や生態についても、
詳しく解説してみたいと思います。
目次
コスモスについて
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_6300-scaled.jpg)
コスモスは、
キク科コスモス属の植物で、
メキシコが原産地です。
コロンブスがアメリカ大陸を発見した後に、
ヨーロッパに伝わった植物なのだそうです。
「コスモス」という名前は、
「宇宙の秩序と調和」を意味するギリシャ語。
規則正しく花びらが並んでいる様子から、
この名前が付けられました。
「コスモス」という名前が「宇宙」からきているなんて、
なんだか壮大ですね。
コスモスのお花や葉っぱの構造
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_3832-2.jpg)
コスモスのお花はちょっと特徴的で、おもしろいんです!
コスモスは、
花びらが8枚のお花のように見えますが、
実は、たくさんの小さなお花が集まってできています。
お花の中心部の黄色い粒々も、
実は、筒状花(とうじょうか)と呼ばれるお花の集合体で、
一つ一つ5枚の花びらとおしべ、めしべを持っています。
外側の大きな花びらは、
舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれる
おしべ、めしべのないお花です。
![Donguri](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/2924C543-A4D4-48C5-8F4C-CD0CD86165E1-300x300.jpeg)
アピールするためよ。
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
舌状花は、もともとは、筒状花だったものが、
虫たちによく見えるように、
一枚花びらを大きくして、舌状花になったんです。
舌状花の花びらには、切れ込みがありますね。
コスモスの葉っぱ
コスモスの葉っぱは、
他のキク科の植物の葉っぱに比べて、
とても細いですよね。
これは、
原産地がメキシコという土地柄に影響を受けたようです。
中南米のメキシコは、
山脈に挟まれた高原で、
常に乾燥した強風にさらされる場所でした。
そのため、コスモスは、
葉を細く小さくすることで、
風の影響を受けにくくし、
葉の表面積を小さくすることで、
水分の蒸発を防いでいたのです。
![Donguri](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/2924C543-A4D4-48C5-8F4C-CD0CD86165E1-300x300.jpeg)
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
コスモスのスケッチ
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_3816.jpg)
コスモスをスケッチする際には、
花の中心部の〇から描き始め、8枚の花びらを描きます。
花びらの先は、切れ込みを入れます。
葉っぱは、細く、茎から、
向かい合って出ています(対生)。
下絵の作成
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_3817-2-247x300.jpg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_3819-2-240x300.jpg)
何枚かスケッチしたものを元にして、構図を決め、
色紙サイズでスケッチ帳に作図します。
下絵は、スケッチ帳に鉛筆で描いた図を
白麻紙にチャコペーパーで転写し、
墨で骨書きをしました。
描き方動画は、この後からの工程になります。
使用した画材
紙 白麻紙ドーサ引き
色紙サイズ 24×27cmの周囲に2cmづつののりしろ
白麻紙を板のボードにテープで貼って描きました。
筆 面相筆 削用筆 連筆 小さな刷毛
絵具 顔彩チューブ
背景:青瓷+若草+白緑
花びら:胡粉 紅梅
筒状花:山吹 鮮光黄 胡粉 栗皮茶
葉っぱ: 青瓷 鶯茶緑 若草 白緑
コスモスの描き方動画
動画の解説
解説1 紙の上部に、刷毛で水を引いておきます。
解説2 背景は、1回目 青瓷 下から上に連ぴつで塗ります。
乾いてから、2回目 青瓷+若草 上から下に薄めに塗ります。
乾いてから3回目 青瓷を下から上に塗ります。
このように塗って、
下から上にかけて、緑のグラデーションを作ります。
花びらは、胡粉で下塗りをします。
中心部は、山吹で下塗りをした後、
鮮光黄+胡粉で、点々を打ち、
さらに、筒状花の雄しべを栗皮茶で点うちます。
茎は、白緑+若草
ガクは、青瓷
葉っぱは、青瓷、白緑、鶯茶緑で、塗ります。
まとめ
今回は、
色紙サイズのコスモスの描き方について
解説いたしました。
ハガキ絵のコスモスの時より、
コスモスのお花の構造や生態、描き方についても、
詳しくお伝えいたしましたが、
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
次回、またお会いしましょう。
ハガキ絵サイズのコスモスの描き方は、こちらをご覧ください。