こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯です。
今回は、
鉤勒法による、コスモスの描き方(色紙サイズ)を
解説いたします。
前回は、ハガキ絵サイズのコスモスで、
鉤勒法と没骨法の2種類の描き方を
解説させていただきました。
今回は、描き方だけでなく、
コスモスのお花の構造や生態についても、
詳しく解説してみたいと思います。
目次
コスモスについて
コスモスは、
キク科コスモス属の植物で、
メキシコが原産地です。
コロンブスがアメリカ大陸を発見した後に、
ヨーロッパに伝わった植物なのだそうです。
「コスモス」という名前は、
「宇宙の秩序と調和」を意味するギリシャ語。
規則正しく花びらが並んでいる様子から、
この名前が付けられました。
「コスモス」という名前が「宇宙」からきているなんて、
なんだか壮大ですね。
コスモスのお花や葉っぱの構造
コスモスのお花はちょっと特徴的で、おもしろいんです!
コスモスは、
花びらが8枚のお花のように見えますが、
実は、たくさんの小さなお花が集まってできています。
お花の中心部の黄色い粒々も、
実は、筒状花(とうじょうか)と呼ばれるお花の集合体で、
一つ一つ5枚の花びらとおしべ、めしべを持っています。
外側の大きな花びらは、
舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれる
おしべ、めしべのないお花です。
アピールするためよ。
舌状花は、もともとは、筒状花だったものが、
虫たちによく見えるように、
一枚花びらを大きくして、舌状花になったんです。
舌状花の花びらには、切れ込みがありますね。
コスモスの葉っぱ
コスモスの葉っぱは、
他のキク科の植物の葉っぱに比べて、
とても細いですよね。
これは、
原産地がメキシコという土地柄に影響を受けたようです。
中南米のメキシコは、
山脈に挟まれた高原で、
常に乾燥した強風にさらされる場所でした。
そのため、コスモスは、
葉を細く小さくすることで、
風の影響を受けにくくし、
葉の表面積を小さくすることで、
水分の蒸発を防いでいたのです。
コスモスのスケッチ
コスモスをスケッチする際には、
花の中心部の〇から描き始め、8枚の花びらを描きます。
花びらの先は、切れ込みを入れます。
葉っぱは、細く、茎から、
向かい合って出ています(対生)。
下絵の作成
何枚かスケッチしたものを元にして、構図を決め、
色紙サイズでスケッチ帳に作図します。
下絵は、スケッチ帳に鉛筆で描いた図を
白麻紙にチャコペーパーで転写し、
墨で骨書きをしました。
描き方動画は、この後からの工程になります。
使用した画材
紙 白麻紙ドーサ引き
色紙サイズ 24×27cmの周囲に2cmづつののりしろ
白麻紙を板のボードにテープで貼って描きました。
筆 面相筆 削用筆 連筆 小さな刷毛
絵具 顔彩チューブ
背景:青瓷+若草+白緑
花びら:胡粉 紅梅
筒状花:山吹 鮮光黄 胡粉 栗皮茶
葉っぱ: 青瓷 鶯茶緑 若草 白緑
コスモスの描き方動画
動画の解説
解説1 紙の上部に、刷毛で水を引いておきます。
解説2 背景は、1回目 青瓷 下から上に連ぴつで塗ります。
乾いてから、2回目 青瓷+若草 上から下に薄めに塗ります。
乾いてから3回目 青瓷を下から上に塗ります。
このように塗って、
下から上にかけて、緑のグラデーションを作ります。
花びらは、胡粉で下塗りをします。
中心部は、山吹で下塗りをした後、
鮮光黄+胡粉で、点々を打ち、
さらに、筒状花の雄しべを栗皮茶で点うちます。
茎は、白緑+若草
ガクは、青瓷
葉っぱは、青瓷、白緑、鶯茶緑で、塗ります。
まとめ
今回は、
色紙サイズのコスモスの描き方について
解説いたしました。
ハガキ絵のコスモスの時より、
コスモスのお花の構造や生態、描き方についても、
詳しくお伝えいたしましたが、
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
次回、またお会いしましょう。
ハガキ絵サイズのコスモスの描き方は、こちらをご覧ください。