こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。
以前、ハガキ絵「アサギマダラ」の描き方を
ご紹介いたしましたね。
今回は、その「アサギマダラ」を「つわぶき」とセットで
色紙サイズにして描きましたので、
今回と次回の2回に分けて
「描き方」(鉤勒法)をお届けしたいと思います。
私は、和歌山県南紀白浜の三段壁を訪れた際に、
出会った「アサギマダラ」の美しい姿と、その驚きの生態に、
すっかりほれ込んでしまいました。
つわぶきの花に止まっていた「アサギマダラ」
彼らは、あの美しく小さな体で、
なんと1000kmも旅をするのです。
凄いですよね。ロマンを感じます!
実は、その想いが強すぎて、
なかなか構図が決められませんでした。
蝶々をどこに配置して良いか、わからなかったからです。
そこで、始めての試みですが、
iPadアプリのProcreateを使って、
構図づくりに役立てました。
伝統的な墨彩画の構図づくりに、
デジタル絵画を利用するのも、
今の時代ならではで、なかなか面白いでしょう?
その辺のところも、後で詳しくお伝えしますので、
最後まで、ご覧くださいね。
まずは、いつものように、
お花の解説からやっていきましょう!
目次
つわぶきとは?
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/A6419D89-B0E6-4A0C-AC82-AD5ABD48009B-scaled.jpeg)
つわぶきは、キク科ツワブキ属の常緑性多年草です。
草丈は、0.2~1mほどで、
株元から丸い葉っぱをいくつも生やします。
葉っぱの間から茎を何本も伸ばし、
10~12月になると、それぞれに黄色い花を10~30輪咲かせます。
つわぶきの名前の由来
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/A155F202-4DAC-44A7-B08B-999C07602D1C-scaled.jpeg)
葉っぱに艶(つや)があることから、「つやぶき」
→「つわぶき」となったといわれています。
つわぶきの特徴
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/28414489-4657-4747-BEA8-8766F03C4549.jpeg)
やはり、丸い大きな葉っぱが特徴的ですよね。
「ふき」という文字が入っていますが、
フキの仲間ではありません。
葉っぱの形がフキに似ているから、
「つわぶき」と呼ばれるようになったみたいです。
九州のある地域では、
山菜として、茎をあく抜きして食べるようです。
つわぶきの花言葉
「謙譲」は、奥ゆかしい日本的な落ち着きを感じさせる花姿に由来
「困難に負けない」という花言葉は、
日陰でも、常に緑色の葉っぱを茂らせる
丈夫な性質に由来しているのだそうです。
確かに、繁殖力旺盛で、
ご近所の方から頂いた一株の苗が、
今では、お庭のあちこちに大きな株となって成長し
、毎年、お花を咲かせてくれています。
やっぱり、蓮にも似たこの大きな葉っぱに、
とても風情を感じますね。
葉っぱがハート形である理由とは?
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/88F35056-93BD-458F-A47A-F7045DE60660-scaled.jpeg)
植物は、葉っぱで光合成をおこないます。
光合成とは、光エネルギーを使って、
水と二酸化炭素から、
エネルギー源となる糖分を生産することです。
光合成を行うには、葉の面積が広い方が有利ですが、
大きすぎると、葉柄が葉っぱを支えることができません。
けれど、葉っぱがハート形だと、
葉柄は、重心バランスを保ちながら、
葉っぱを支えることができます。
また、葉っぱに受けた雨水や夜露は、
葉柄を伝わって、茎の根元におちていき、
水を集めることができます。
つわぶきの葉っぱって、
とても合理的にできているんですね。
では、次に、描き方について
解説いたします。
構図の決め方
まず、
スケッチ帳に「つわぶきの葉っぱとお花」を描き、
ざっくり構図を決めました。
茎を少し湾曲させ、お花に動きを与えてみました。
しかし、ここまで来て、
「アサギマダラ」をどこにとまらせるか、
とても困りました。
どうしても、おさまりが悪いのです。
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/EB77EDCE-BC09-4E21-8990-B50C5D551075-300x225.jpeg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/69649631-750B-483A-B9A9-C29987073C4B-300x225.jpeg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/2EFFCD6B-C267-432E-B80D-D6B8AC63E9AB-300x225.jpeg)
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/8D56C4A3-85D9-4F1D-82D9-E3E51B250C88-300x225.jpeg)
そこで、「アサギマダラの切り抜き」を作って、
いろいろな場所にとまらせてみました。
それでも、なかなか構図が決まりません。
葉っぱの位置を変えてみたり、
お花の数を減らしてみたり、試行錯誤しました。
Procreate登場!
お試しで、描いてみることにしました。
Procreateは、iPad用のお絵描きアプリです。
Apple Pencilを使って、鉛筆や水彩など、
アナログ感のある絵やイラストを描くことができます。
まだ使い始めたばかりで、
その豊富な機能は全然使いこなせていませんし、
使い方もよくわかっていませんが、
とにかく、蝶々の位置を決めるために、
ちょっとお試しで描いてみたのです。
結局、葉っぱの位置をずらし、
下の葉っぱと、アサギマダラが同じ方向を
向くように決めました。
上の画像は、procreateで作成したデジタル絵画です。
きりがないものね。
![Keisou](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/10/EB5C6DCB-F6FB-4C71-9613-BE65FE6BE790-247x300.jpeg)
この桂颯も、procreateで作成しました。
Procreate なかなか奥が深くて、楽しそうです。
これからも、いろいろ活用してみるつもりです。
さて、背景の色と、蝶々の位置を、決めたところで、
下絵の作成です!
下絵の転写
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/618A7A4C-960A-43DA-945C-A50620A202B8-768x1024.jpeg)
色紙よりも四方1cmずつ大きく切った白麻紙を
ベニヤ板にマスキングテープで留め、
チャコペーパーを使って、下絵を転写しました。
墨で骨描き
転写した線上を、面相筆を使って、墨で骨描きします。
背景塗り
![](https://keisou11.com/wp-content/uploads/2021/11/4DADB9B9-994E-4A6C-8020-005ECC817DC9-1024x768.jpeg)
背景は、顔彩の黄土、鶯茶緑、墨を混色して、
色を薄めに調整して、連筆で塗りました。
まとめ
今回は、【顔彩で描く花の絵シリーズ】
「ツワブキとアサギマダラ」の描き方①として、
下絵づくりから背景までの描き方をご紹介しました。
また構図づくりの際に利用した、
iPadアプリのProcreateについても
ご紹介しましたね。
いかがだったでしょうか?
今回は、ここまでです。
次回は、今回の続きから仕上げまでを動画を交えて
解説いたしますので、楽しみにしていてくださいね。
最後まで、ご覧頂きありがとうございました。
では、また次回にお会いしましょう。