【墨彩画作品 花菖蒲】花菖蒲、あやめ、かきつばたの違いについて解説します。

墨彩画 花菖蒲

墨彩画 花菖蒲 24.5×27.5cm 麻紙

こんにちは。

墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

さて、今回は、

「花菖蒲」を描いてみました。

以前、「墨彩画の描き方 初級講座」で、

鉤勒法での「花菖蒲」のハガキ絵の描き方について、

解説いたしましたね。

【墨彩画の描き方 初級講座 花菖蒲のはがき絵】花菖蒲を鉤勒法で描く

今回も、鉤勒法(こうろくほう)で描いているのですが、

ポイントは、花の色です。

花菖蒲の華麗な花を、浮き立たせたかったので、

背景を暗くし、お花の色を目立たせる工夫をしました。

東村山の北山公園で撮影した花菖蒲を参考にしましたが、

描いているうちに、どんどんお花の色が変わってきて、

実物とは大きくかけ離れてしまいました。

写真では、こんなにくっきりと美しく見えるのに、

墨彩画にすると、何故だか、お花が葉っぱに埋もれてしまうのです。

なので、何度も何度も明るい色を塗り重ねていきました。

 

また、右下のお花には、水彩画で使う

ウルトラマリンライトとコバルトブルーの

絵具を使ってみました。

 

墨彩画で、水彩絵の具を顔彩と混色して使ったのは、初めてですが、

なんとかうまくいきました。

 

水彩絵の具を使った場合、

裏打ちはできません。

つまり、掛け軸などに仕立てることはできないのです。

 

この絵の場合、裏打ちの必要がないほど、

厚みのある麻紙を使用していますし、

額で飾りたかったので、

水彩絵の具を使うことが可能だったのです。

 

以前、勉強した狩野芳崖が

フェノロサのアドバイスで、

フランスから輸入した絵具を使用したという話を

私も実践してみたかったのです。

 

では、今回のテーマである

「花菖蒲とあやめとカキツバタの見分け方」について

解説いたしますね。

 

3種類のお花は、とてもよく似ていて、

なかなか区別がつきませんよね。

ところが、実は、

簡単な見分け方があるんです。

目次

花菖蒲、あやめ、かきつばたの見分け方 ① 花びら

花びらの付け根を見ると、見分け方がわかります。

花菖蒲には、黄色の筋がはいっています。

あやめには、網目状の模様が入っています。

カキツバタには、白い筋がはいっています。


ねえ? 簡単に見分けられるでしょう?

花菖蒲、あやめ、かきつばたの見分け方② 育つ場所

あやめは、陸地で乾燥したところに育ちます。

カキツバタは、水の中で育ちます。

花菖蒲は、その中間で、半乾湿地で育ちます。

なんとなく、どれも水辺で育つ印象ですが、

実は、あやめだけは、乾燥した陸地に育つんですね。

花菖蒲、あやめ、かきつばたの見分け方③ 開花時期

この写真の花は、花びらの付け根に、黄色い筋があるから花菖蒲ですね。

花菖蒲は、ユリ目アヤメ科アヤメ属で、

     開花時期は6月上旬~下旬

花は大輪で、背丈は60~100cmくらいです。

 

あやめも、ユリ目アヤメ科アヤメ属で、

     開花時期は5月上旬~中旬。

花は小さめで、背丈も30~50cmくらいでこぶりです。

 

カキツバタは、キジカクシ目アヤメ科アヤメ属 

       開花時期は、5月中旬~下旬。

 花は中輪で、背丈は30~90cmで、

 花菖蒲とアヤメの中間くらいですね。

これで、3種類のお花は、はっきり見分けられるようになりましたね。

では、ついでに、

菖蒲と花菖蒲の違いについても、解説しましょう。

菖蒲と花菖蒲の違い

実は、菖蒲と花菖蒲は、全く異なる植物なんです。

花菖蒲は、アヤメ科であるのに対し、

菖蒲は、サトイモ科になります。

菖蒲は、男子の健康と成長を願う端午の節句で、

厄除けのために、菖蒲湯として使われていますよね。

この菖蒲の根には、特有の芳香があり、

皮膚の真菌に効果があるといわれているそうです。

また、民間薬では、菖蒲の根や葉を刻んで、

布袋に入れて、適量の水で煮沸し

そのまま薬湯料として使用すると、神経痛、リウマチ、不眠症に

効果があるといわれています。

(以上、日本薬学会より)

まとめ

さて、今回は、

墨彩画作品 花菖蒲の描き方で工夫した点や、

花菖蒲、あやめ、カキツバタの見分け方、

菖蒲と花菖蒲の違いなどをお伝えいたしました。

いかがでしたか?

今回は、ここまでです。

次回、またお会いしましょう。