F10 水墨画「白龍」 画仙紙 2020年製作
忙しくて、なかなか絵を描く時間が取れない私は、心の中で、ずっと「絵を描く時間が欲しい」と強く願い続けていた。
以前、「潜在意識で思い続けていると、願いはかなう。但し、どういう形で叶うかは、わからない」ということを書いてある本を読んだことがあったが、まさにその通りになった。
私は、登山で滑落して、足首を骨折してしまったのだ。
入院、手術、リハビリで全治3か月。
私は、仕事も家事も地域活動もできなくなり、不自由な足を抱えての闘病生活を余儀なくされた。
しかし両手は自由に使えたので、自由に絵を描くことができるようになった。
私は、骨折することで、願いをかなえることができたのだ。
まるで、龍が私の本気度を問うために、こんな形で時間を与えてくれたような気がした。
2か月間は、2階のアトリエに上がることができなかったので、水墨画や墨彩画を描くことはできなかったが、手元にあった水彩道具で、ずっと描きたかった水彩画を思う存分、練習することができた。
この絵は、骨折後2か月ぶりに描いた龍である。