【顔彩で描く絵手紙シリーズ】ツツジの描き方:誘惑の赤い斑点とは?

こんにちは。
墨彩画家でセラピストの桂颯(けいそう)です。

今回は、「顔彩で描く絵手紙シリーズ」として
「ツツジの描き方」をお届けします。

春〜初夏にかけて、赤やピンク、白など、
色とりどりに咲くツツジは、
古くから日本人に親しまれてきたお花の一つですね。

子供の頃に、ツツジの花をつんで蜜を吸ったことのある人も、
多いのではないでしょうか?

わたしもその一人。

お花を摘んで、根元をちゅーっと吸うと、
甘い蜜の味がするんですね。

でも、今回、調べてみて、
初めてわかったことですが、
実は、ツツジの蜜には毒があるのだそうです。

ええええーーーーーーっ!!!!!

確かに、厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルの中に
ツツジの中でも「レンゲツツジ」には、
有毒成分「グラヤノトキシン」が
含まれているので要注意と記載されていました。

欧米では、花の蜜を吸った児童や馬、羊などの家畜の
中毒が報告されているとのことです。

なぜ、ツツジはこのような毒を持っているのでしょうか?

ツツジの赤い斑点は、どういう意味を
持つのでしょうか?

ということで、まずは、ツツジの面白い生態について
解説したいと思います。

続いて、描き方ポイント、そして
描き方動画をご紹介します。

情報満載なので、最後まで、
じっくりお楽しみくださいね。

目次

ツツジとは

ツツジ科ツツジ属の半常緑性のアジア原産の植物です。

開花時期は、4月中旬から5月中旬で、
白、ピンク、赤、紫などの色の花を咲かせます。

日本では、ヤマツツジなどの野生種の他、
さまざまな園芸種が栽培されています。

漢字で書くと「躑躅」(つつじ)。
「てきちょく」とも読みます。


「躑躅」の「躑」には、「たたずむ」「足踏する」の意味があり、
「ツツジには、見る人の足を引き止める美しさがある」ことに
由来するとも言われていますが、

「躑躅」の「躅」は、「あしずりする」「あがく」という意味があり、
ツツジの葉をたべた羊が、足踏して、死んだしまったことに
由来するとも言われています。

ツツジ属の植物には、
レンゲツツジやシャクナゲなど、
有毒なものが結構あるんですね。

ツツジの花つくりは?

ツツジの花は、ラッパ状になっていて、
花びらが5枚あるように見えますが、
実は、根本でくっついていて、
1枚の花びらでできているんですね。

こうした花弁を「合弁花」といいいます。

長いめしべが1本、その周囲におしべが10本あります。

ツツジに毒のある理由とは?

何故、ツツジには、毒があるのでしょうか?

有毒成分を持つことで知られている「レンゲツツジ」には、
葉っぱや花、根にも有毒成分が含まれているそうです。

植物に有毒成分が含有される理由は、
動物に食べられることを防ぐためです。

動物と違って、動き回ることができない植物は、
敵から逃げることができません。

そのため、植物は、敵から身を守るために、
体に毒を蓄えて、食べられないようにしているんですね。

時として、この有毒成分は、
人間にとって、薬の成分にもなるというわけです。

レンゲツツジに含まれる主な有毒成分は「グラヤノトキシン」で、
摂取すると、嘔吐、痙攣、不幸困難、不整脈などを
起こすと言われています。

なんと、レンゲツツジの蜜を吸ったミツバチの蜂蜜を摂取して
中毒を起こした事例も報告されているんですね。

日本産のツツジで毒性があるのは、「レンゲツツジ」のみと
言われています。

でも、動物にとって有毒なグラヤノトキシンは、
虫にとっては、何故、無害なのでしょうね。

不思議・・・・・・?

ツツジの誘惑の赤い斑点の役割とは?

植物の生態を調べていくと、
本当に合理的で無駄がないなあとつくづく感心させられます。

ツツジの花びらに描かれている、あの赤い斑点にも、
大切な意味がありました。
単なる模様ではなく、立派な役割を果たしていたんです。

この斑点は、「蜜標」(みつひょう)もしくは「ガイドマーク」と呼ばれ、
虫たちに蜜のありかを教え、
花粉を運んでもらうよう虫たちをガイドするためのものなのです。

蜜標は、5枚ある花びらの上部にある1枚にだけ
ついています。

この蜜標のついている花びらの元は、
筒状に丸まって、その奥に蜜があるのです。

虫たちは、蜜標に誘われて、お花の奥へ奥へと
体を潜り込ませるときに
おしべの先端の花粉が体につくようになっています。

虫たちは、蜜をもらう代わりに、
花粉を運んで、ツツジの受粉を助けているというわけです。


動けない植物の子孫繁栄のための戦略なんですね。

すごいですねえ!

薄ピンク色の花では、蜜標はくっきりと目立ちますが、
赤や白のお花ではあまりめだちません。

実は、人の目には見えないけれでも
虫たちの目には感知される蜜標が描かれているんですって。

ほんと、すごいですねえ!

植物の生態を知ると、
見たままを描くよりも、
植物に対する畏敬の念がでてきて、
描く思い入れも高まってきませんか?

描き方ポイント

ポイント1 花びらの色選び

実は、最初は、花びらの色を
紅梅の濃淡だけで
塗っていました。

でも、ちょっと、色がどぎついですし、
有毒の「レンゲツツジ」に
似ていますね。

そこで、紅梅に胡粉を混色して
花びらを塗りました。

悪くはないのですが、
もっと明るいイメージに仕上げたい!

実は、紅梅ではなく、燕脂+胡粉で
花びらの下塗りをしたところ、
全体に暗いイメージになってしまったのです。

花びらの色が与える印象は、
重要ですね。

そこで、紅梅に対する胡粉の割合を多くして、
薄めのピンク色で、花びらの下塗りを行いました。

絵全体がぐっと明るい印象になりましたね。

それに合わせて、
葉っぱの色も、若葉を用いて
明るく仕上げました。

ポイント2 お花を立体的に描く

ツツジのお花は、ラッパ状に開くので、
描く際には、立体的に見えるよう工夫をします。

そこで、お花の中心から外に向かって、
紅梅の濃淡で、奥行きを表現しました。

つまり、花びらの中心を最も濃く、
外に向かって、薄くなるように
水筆でぼかしていきます。


描き方動画

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そして、Youtube動画の詳しい解説は、

こちらのブログで行なっています。

つまり、両方をご覧になると、

しっかりご理解いただけると思いますので、

よろしくお願いいたします。

まとめ

CouleurによるPixabayからの画像

今回は、「顔彩を使って絵手紙シリーズ」として
ツツジの描き方をお届けしました。

まず、ツツジの面白い生態について解説し、
次に、描き方ポイント、
そして、描き方動画をご紹介しましたね。

いかがだったでしょうか?

今回は、ここまでです。

また次回、お会いしましょう。